20年先を見据えたまちづくりを実践する――長寿の里・山梨県上野原市の取り組みとその成果
(著) 山口好昭
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[商品について]
――棡原地方で「セイダ」と呼ばれている特産物は、次のどれでしょうか。
1.たまねぎ、2.じゃがいも、3.人参
正解は、本書第5章「(4)伝統食を再現――せいだのたまじ、きび飯など」をご覧ください。
豊かな自然に囲まれ、「長寿の里」として知られる山梨県上野原町棡原地区は、都会へのアクセスが容易でありながら、健康的でゆったりした田舎の暮らしを満喫できる環境に恵まれている。本書は、棡原に生まれ、JA職員からクレイン協同サービス役員を経て上野原市の市議会議員となった著者が、地域資源の活用からインフラの整備まで、上野原市がまだ上野原町だった頃から取り組んできたまちおこし事例を、具体的な手法や過程などをできる限り盛り込みながら紹介した作品である。天皇・皇后両陛下も訪れた「ふるさと長寿館」の取り組みを始め、デマンドタクシーやドローンによるトレッキングルート案内など、同じようなまちおこしを検討している行政の方々などにも参考にしていただける内容となっている。
[目次]
はじめに
第1章 まちおこしは20年先を見据えて構想
第2章 利便性・安全性を考えた環境整備
(1)生活の橋のみならず観光の新名所に――聖武連〝夢〟吊り橋
(2)街の玄関口を美しく機能的に――JR上野原駅周辺
(3)ヘリポートも備えた防災拠点――新消防庁舎
(4)万一の際の迂回路に――スマートインターチェンジ
第3章 福祉・医療の機能を強化
(1)機能を集中させた福祉の拠点――総合福祉センター「ふじみ」
(2)保育機能と幼稚園機能を統合――認定こども園
(3)公設民営で医療体制強化――新市立病院
(4)高齢者らの移動手段確保――デマンドタクシー
第4章 地域資源を観光の目玉に
(1)耕作放棄地を花畑に――フラワー公園
(2)旧宿場やパワースポットを活用――古道や神社の名所化
(3)国指定重要文化財の情報発信――大野貯水池と八ツ沢発電所
(4)ドローン利用し案内動画制作――里山トレッキングルート
(5)民間ボランティア主導の大会運営――八重山トレイルレース
第5章 特産物を商品化
(1)県の農産物等認証食品第1号――長寿むら棡原こんにゃく
家庭での一般的な手作りこんにゃくの作り方
(2)伝統的製法で特有の風味――長寿むら棡原みそ
(3)無駄になっていた柚子を有効利用――棡原ゆずワイン
(4)伝統食を再現――せいだのたまじ、きび飯など
(5)土産物に最適の上野原名物――酒まんじゅう
家庭での伝統的な酒まんじゅうの作り方
(6)天皇皇后両陛下もご来訪――ふるさと長寿館
(7)中央自動車道サービスエリアで野菜販売――やさい村
(8)地元産の野菜や果物を販売――ファーマーズ・コモア
おわりに
著者プロフィール
[出版社からのコメント]
町づくりは行政と住民が一体となって活動することが不可欠の上、ある程度長い時間を必要とする点で、難しい課題を多く含んでいます。働き方の変革によって都市一辺倒であった人口分布にも変化が予測される今、本書を通じて地域の特性を活かした町づくりへのヒントを掴んでいただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
山口 好昭(やまぐち よしあき)
1941年、山梨県北都留郡上野原町(現・山梨県上野原市)棡原生まれ。
JAクレイン経済部長、クレイン協同サービス常務取締役、ふるさと長寿館館長などを経て、2007年に上野原市議会議員に初当選。その後、市議会議長を務める。現在4期目。著書に『食と邑おこし 長寿の里 棡原探訪』(文芸社)がある。
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