20世紀から持ち越した宿題:日本が「普通の国」になるための宿題はできるのか?

(著) 龍野裕通

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[商品について]
―日本が、このまま三流国家に堕してしまわないために―
第二次大戦後の冷戦構造は日本にアメリカという巨大な市場と防衛パートナーをもたらし、経済成長のみに没頭できるという特異な状況の中で日本は世界第二位の経済大国にまでなった。しかしその後の冷戦構造の終焉により世界と市場が大きく変わる中で、特異な状況からの脱却を図れなかった日本は、いま長期的な不況に喘ぎ停滞する経済成長に苦しんでいる。ではこれからの日本は、いかなる道をとるべきなのだろうかーー日本が本来あるべき姿である「当たり前」の独立国家に立ち戻り、20世紀からの宿題である政治的・経済的・社会的問題を克服して21世紀を生き抜くための方策を多角的な視点で検討した日本人必読の書。

[目次]
前書き
私の現在の雑感(20年前の状況に比べて)
序文
日本を普通の国に
1 日本の現状と今なすべきだと考えること
新産業政策―自由な産業発展
脆弱な国内志向の産業分野
不良債権
まずは景気対策としてデフレ進行の阻止を
財政出動
新しい産業分野(環境保全産業、LCA)
分散型エネルギー供給
農林業政策
観光
物流
新しい環境、エネルギー政策
なぜ環境保全なのか
人口抑制
教育政策
敢えてゆとり教育の推進を
理工離れ
能力別教育を
日本人の外国語教育
生涯教育
日本は学歴社会か?
宗教観
健康、医療政策
温暖化そして感染症の広がり
中央と地方の役割
産業の分散化
国防、外交、危機管理
マスコミ
技術開発
税制
文化政策
2 日本の新しいガイドライン (官主導の平等主義から民主導の自由主義へ)
意思決定のための大臣への権限集中化
挑戦のしがいのある自由な競争環境を
人材の更なる流動化を
経済政策・今日本が最優先で挑戦すべき課題
本来の構造改革とは
景気の立て直しが最優先
円安誘導による輸出主導?
経済、通貨、FTA(フリートレードエリア)(自由貿易圏)
日本型の資本主義
ベンチャー発展の可能性
政治家による官僚のコントロール
何に重点を置いた改革をすべきか
3 外資との比較でわかる日本企業の長所と問題点
1970年代の日本の経済と企業の置かれた環境
日本企業への就職(一生を就職先に捧げる覚悟で)
日本企業の文化は村落共同体
商社不要論
日本企業のブランド戦略
日本市場でのブランドの意味
日本企業の意思決定過程
村落共同体の終焉
日本企業の海外現地法人
右肩上がりの成長
外資への転職
外資とは
外資の外人マネジメント
出世の梯子(はしご)は狭い
植民地経験
従業員性悪説
外資の中の日本人従業員
日本人対外人
外資が日本で成功するには
ブランドそして企業哲学の浸透
新卒は日本企業へ行け
外資への就職は中途で
外資はブランドを大切にする
4 企業の国際化、インサイダー化
自動車産業の*インキュベーション期
マスキー法、オイルショック
完成品輸出期(国際化の第1ステージ)
円高ショック
現地生産へ(国際化の第2ステージ)
設計開発、デザインの現地化(国際化の第3ステージ)
インサイダー化(国際化の最終ステージ)
居心地の良いインサイダー
5 30年後の日本は理想の国になっているか?
安全保障
国家も企業体的発想を
恵まれた自然の維持、育成
中央集権から地方への権限委譲
豊かな自然環境そして景観
労働、農業の自由化
市場主義万能から人的価値重視へのシフト
後書き
著者略歴

[担当からのコメント]
本書を読んでいると、現在の日本の不調は必ずしもバブル崩壊の影響や政府の経済政策の失敗だけでなく、戦後の日本という国のあり方そのものによるところも大きいのではないかと思わされます。かつての栄光ではなく新たな栄光を掴むためには何が必要なのか、本書を通じて多くの方に考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
龍野 裕通―――たつの・ひろみち

一九五一年(昭和二十六年)八月十六日東京生まれ。
慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。三菱商事株式会社にて欧州における日本車の販売網構築、乗用車欧州向け輸出担当、その後海外メーカー一〇〇%出資の乗用車輸入・卸売り子会社ボルボジャパン株式会社、BMW株式会社にてそれぞれマーケティング本部に所属、輸入車の本邦におけるマーケティング戦略企画を担当。

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