頸城の真宗教団史

(著) 大場厚順

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作品詳細

[商品について]
―真宗の歴史は信仰の歴史であり、日本の歴史でもある―
頸城の真宗寺院の数が東本願寺派と西本願寺派で大きく異なるのはなぜか。親鸞聖人の妻といわれる恵信尼はどのような人であったのか。越中水橋門徒が移住した越後国頸城郡の「マナコ」とは現在の何処で、彼等はどのような門徒であったのか。石山戦争の終末期に石山本願寺で籠城を続けた教如が諸国の寺院・門徒に発した檄文「本願寺抱様」と、越後の真宗教団にはいかなる関係があったのかーー親鸞聖人をはじめ、これまで真宗に関する数多くの研究を発表してきた著者が、「頸城」をテーマに上越郷土研究会の機関誌「頸城文化」に寄稿した28編の論考をまとめた、著者初の遺稿集。

[目次]
発刊にあたって
近世初期における越後の真宗教団
――頸城を中心とした東本願寺教団の形成――
座談会 親鸞の妻 恵信尼
恵信尼の住所「とひたのまき」考
――最近の学界の成果をめぐって――
恵信尼の子女の出生順について
――小黒女房の出生をめぐって――
恵信尼消息第七通考
――「ゑちう」をめぐる諸問題――
「マナコ」のありかとその門徒の性格
専敬寺の「教如消息」について
山里の御影について
檄文「本願寺抱様」と越後の真宗教団
越後時代の親鸞について
――批判精神と布教――
上野田の西方寺について
――天正・文禄・慶長初中期を中心に――
松野木勝念寺事件研究序説
――事件の概要と藩権力・勝念寺史の概要――
本誓寺所蔵の教如消息
――天正九年二月の消息――
林覚寺について
今泉の勝願寺門徒
――永正期を中心に――
蓮如の来越と越後の真宗教団
浄興寺所蔵『蓮如上人塵拾抄』について
――越後国に関連して――
高田常敬寺について
――改派問題に関連して――
東本願寺両堂再建について
――直江津木揚場と史料――
越後時代の親鸞
――平野団三先生の業績に触発されて――
近世真宗寺院と梵鐘
――鋳造の年代に関連して――
史料紹介 照行寺文書
越後の親鸞再考(一)
――「親鸞御影」の帽子(もうす)――
越後の親鸞再考(二)
――配所にまつわる問題――
出版物紹介 越後を中心とした親鸞・恵信尼の関係
――戦後の出版物を中心として――
恵信尼文書(消息)について
――第一通目 下人譲状に関連して――
恵信尼について
――年表と生涯ともに略述――
親鸞聖人関連出版物紹介
――手元にあるもののみ――
「頸城文化」執筆一覧
大場先生との出遇い
著者略歴

[担当からのコメント]
親鸞聖人は日本史の教科書を開けば必ず出てくる歴史的人物ですが、そうした後世からの見かたではなく、それぞれの時代の歴史に分け入って親鸞聖人や教団の姿を見つめようとするところに本論考の醍醐味があると思います。知的探究心を喚起する一書として、多くの方にお薦めします。

[著者略歴]
大場厚順(おおば・こうじゅん)

一九三一年~二〇一二年
大谷大学文学部史学科卒業
真宗大谷派善正寺二十四世住職(一九七二~二〇〇九)
上越市文化財審議委員(一九九〇~二〇一〇)
上越市史専門委員会・調査執筆委員(二〇〇一~二〇〇四)
県内高等学校教員を歴任

主著
『越後の親鸞聖人』真宗大谷派宗務所出版部
『越後の親鸞』新潟日報事業社

執筆
『新潟県史』通史編2~5
『新井市史』上巻
『板倉町史』通史・資料編1~2
その他、真宗関係・地方史関係誌に多数寄稿

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