随想撰集 窓辺の風音(熟思黙想)──編集版(オニヤンマと聴診器、外頼点描、余的のきらり)
(著) 平井誠一
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―小児科医師の瞳に映る日本社会―
すべては本人と親の自由だとは理解しつつ、タトゥーへの抵抗感を薄めさせるボディーペイントやシールを小さい子どもに施すことには反対したいというジレンマ。自身の症状すらちゃんと言葉にできない子どもたちの増加を目の当たりにしたことで募る、日本人のコミュニケーション能力低下への危機感。平成の終わりに接して振り返る、著しいデジタル化とともに歩んだ開業医としての歴史ーー。本書は小児科医を務める傍ら、徒然なるままに文章を綴り、エッセイ集を出版してきた著者の小文をテーマ別に再録した編集版。市井に生きる小児科医師として、そして一人の人間として考え、問い、思い出すことをありのままに語る。
[目次]
小児科医師は、考える
松ヤニの不思議
猛暑と井戸水
永保寺の算額
インスパイヤー‐ザ‐ネクスト
味の素事件
価格のあれこれ
言葉のこと、あれこれ
スイーツ
グラノーラとスムージー
タトゥー
痙攣が頓挫?
呑酸という言葉
言語生活、ナウ
言語生活一九九九
=リベンジ、バーキン=
言語生活二〇〇〇
=道なり、住まう=
言語生活2016 「生前退位」
言語生活2016 「意育」について
言語生活2017 知るを喜ぶ
言語生活2018 チャレンジド、詭道、海道
言語生活2018 フレイル、ハゲタカジャーナル
言語生活2019 コンピテンシー、ラウンドアバウト、など、
言語生活2019 かかずらう、などなど
言語生活2019 アスリートの言葉
言語生活2020 マウント、学習症など、
言語生活2021 =道険笑歩、土地鑑、足掻く=
【コラム】気になる言葉
小児科医師は、問いかける
街道を行く
阿保発電所と川上ダム
遠山の風力発電タワー群
農薬のこと
アトラスオオカブト
新学年、教科書のこと
環境と感性の変化
もの言わぬ子供たち
極端事例に思う
「修理お願いします」
これはよくてあれはダメ
コロナワクチン接種とニューノーマル
異常胎児選択的減数報道に思う
自由の向こうに見えるもの
キトラとマナスル
文化の盗用(Cultural appropriation)
そう言う時代
規範とOS
揺らぐ原則、見えざる基準
行き過ぎた男女平等
大丈夫か、日本
私の散歩道
小児科医師は、懐かしむ
フキ俵や菖蒲飾りのこと
「きとろ」の棚田とビオトープ
虫送り
夏の思い出
虫の季節
甘柿・渋柿・柿のこと
ため池のこと
炭焼きのことなど
冬の音
牛が家族であった頃
ゲルマニウムラジオ
私とチョコレート
懐かしの医学書
昔話と友生診療所
ふと思い出すこと
最後の健診
母、恭のこと
今につながる ―三十三年前のがん病棟―
孫に伝えたい三つの話
平成の終わりに デジタル変革の事など
あとがき
[担当からのコメント]
現代という時代の真ん中を生きる親世代と未来を担う子どもたち、その両方に接する機会の多い小児科の医師は、ある意味で日本社会の様相をもっとも敏感に感じる職業の一つと言えるのかもしれません。そんな著者が綴った日常エッセイをテーマ別に収めた本書。ぜひ、著者とともにさまざまな事柄を考え、問い、懐かしんでみてください。
[著者略歴]
平井誠一(ひらい せいいち)
1952年 三重県伊賀市喰代に生まれる
1971年 三重県立上野高等学校卒
1977年 三重大学医学部卒
1981年 三重大学医学部大学院博士課程卒 医学博士
1987年 上野総合市民病院小児科部長を辞し ひらい小児科クリニック開業
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