限られた「いのち」を支えるーー病気の子どもと共に生きる「こどもホスピス」への挑戦

(著) 田川尚登

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作品詳細

[商品について]
―命をあきらめる場所ではなく共に生きる場所、それが「こどもホスピス」―
病児の遊びや学び、発達を支援する専門施設である「こどもホスピス」は、病気や障がいと闘う子どもたちが「その子らしく」生きていくための場所であり、あたたかい家庭的な雰囲気のなかで両親に休息やつながりを与え、豊かで楽しい時間をつくるお手伝いをする家族の新しい居場所でもあります。本書では、娘の死をきっかけに「こどもホスピス」の存在を知り、その設立に向けて活動してきた著者が、海外に較べると大きく遅れている日本の小児緩和ケアの現状とその中で人知れず苦しむ子どもや家族の現実、そして横浜で設立を目指す活動の内容をご紹介していきます。医療や福祉、教育制度のあり方について考えるうえで、示唆に富む一書です。

[目次]
はじめに
第一章 6歳の娘に先立たれて
病気の予兆――二人の医師の診断は風邪
「余命半年」、脳腫瘍の告知
治療法を探し、駆けまわる日々
「帰らないで!」病院に響きわたる泣き声
子どもの成長とたくましさ
「パパ、死ぬってこういうこと?」
家族4人「最後の旅行」
人工呼吸器を外す決断
「子どもらしくいられる権利」を奪ってはいけない
コラム 1 「告知」について考える
第二章 子どもが生まれてきた意味
娘が旅立ったあとの世界
始まりは病院へのテーブル寄贈
病気と闘う子どもと、その家族を支えたい
子どもの治療に付き添う家族のための宿泊施設
「リラのいえ」は第二の我が家
忘れてはいけない、きょうだいの思い
長女の涙と私の後悔
子どもが生まれてきた意味
コラム 2 「小児緩和ケア」について考える
第三章 限りある子どもの命と精一杯向き合った家族たち
忘れられない医師の言葉
坊主頭になったお兄ちゃん
次男としての生きた証
世界がひっくり返った日
いつかお空で娘と答え合わせ
これまでもこれからも、ずっと家族
「お母さんは大丈夫?」
二次がんの発症
最期は家で看取りたい
コラム 3 「グリーフケア」について考える
第四章 こどもホスピスをつくる
こどもホスピスは〝生きる〟ための場所
遺贈に込められた想いとNPO法人の立ち上げ
イギリスはこどもホスピス発祥の地
ドイツで出会った、日本人のお母さん
レスパイトケアを重視するオランダ
友のように、家族のように、寄り添うということ
「横浜こどもホスピス」が目指すもの
日本でのこどもホスピスの動き
世界から託されたバトンをつなごう!
ずっと、一緒に生きていく
娘にしてあげたかったこと――こどもホスピスの開設に向けて
コラム 4 限りある子どもの命と、どう向き合うか
おわりに
追記
著者略歴

[担当からのコメント]
皆さんは、普段の生活の中で不治の病や長期闘病中の子どもと出会うことはあるでしょうか。普段の生活の中でほとんど出会わないということは、それだけ彼らやその家族が社会から隔絶してしまっているということなのかも知れません。そんな彼らを私たちに出会わせてくれる本書は、また病気や命、生きることについても考えさせてくれる内容となっています。ぜひご一読ください。

[著者略歴]
田川尚登(たがわ・ひさと)

1957年、神奈川県横浜市生まれ。川崎市在住。大学卒業後、ベンチャー企業、印刷会社を経て、2003年、NPO法人スマイルオブキッズを設立。2008年、病児と家族のための宿泊滞在施設「リラのいえ」を立ち上げる。2017年、NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトを設立し、代表理事に就任。ほか、NPO法人日本脳腫瘍ネットワーク副理事長、一般社団法人希少がんネットワーク理事、神奈川県立こども医療センター倫理委員を務める。「病気や障がいがある子どもと家族の未来を変えていく」をモットーに、小児緩和ケアとこどもホスピスの普及を目指している。

NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト
http://childrenshospice.yokohama/

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