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門石長秋(かどいしおさあき)―日本の歯科医療の黎明期　生涯をかけて近代化に挑んだ若き歯科医師の物語

(著) 村居正雄

作品詳細

［商品について］
――明治時代まで続いた伝統的な入歯師は、何の素材で入れ歯を作っていたでしょうか。
１．象牙、２．黄楊、３．竹
正解は、本書「五．入歯師・川上喜作のこと」をご覧ください。
明治３６年に創立した長野県歯科医師会の初代会長となって草創期の歯科医師会活動に貢献し、上田町で１１年間過ごした後に東京に転居して日本歯科医師会の重職を務め、歯科医師法改正に尽力すると共に、神田駿河台の御茶ノ水駅前に診療所を構えて東京歯科医学講習所を併設し、歯科医師養成にも力を注いだ門石長秋(かどいし おさあき)。本書は、３０年以上にわたり上田市で歯科医師として過ごしてきた著者が、僅か数行の歯科医師会名簿の記録から出発して、門石長秋という人物の足跡を辿り、その短い生涯の中にある謎に迫った記録である。

［目次］
改訂版（電子版）の発刊にあたって
はじめに
一．生い立ち
二．歯科医師修業
コラム　１　　野口清作（英世）と血脇守之助
三．小県(ちいさがた)郡上田町で開業
四．長野県歯科医師会の創設
五．入歯師川上喜作のこと
コラム　２　　入歯師とは
六．歯科医師法の制定
七．いざ東京へ
八．歯科医師法改正の闘い
九．関東大震災と長秋の死
コラム　３　　関東大震災と父のこと
十．長秋の生家を訪ねる
コラム　４　　門石長秋の家族
十一．小幡英之助のこと
コラム　５　　小幡英之助の弟子（長野県関係者）
資 料 編
東京歯科医学講習所第９回卒業記念アルバムより（大正４年９月）
上田郷友会と門石長秋
門石長秋　　年譜
門石長秋　参考文献
あとがき
著者略歴

［出版社からのコメント］
昭和とも大正とも異なる独特の熱気と気風が感じられる明治という時代は、現在にまで影響を与える様々な人物を生みだしましたが、本書で語られる門石長秋もそうした人物のひとりではないかと思います。若き俊英が生きた時代を巡る旅を、ぜひ手に取って楽しんでいただければ嬉しく思います。

［著者略歴］
村居 正雄（むらい まさお）

昭和17年（１９４２）　東京都世田谷区に生れる
　　20年（１９４５）　母親の実家である長野県上田市に疎開、以降上田市で育つ
　　36年（１９６１）　県立上田高校卒業、東京歯科大学入学
　　42年（１９６７）　東京歯科大学卒業、東京医科歯科大学医学部人類遺伝学研究室助手
　　48年（１９７３）　東京都立荏原病院勤務を経て、上田市・村居歯科医院勤務
　　51年（１９７６）　海野町歯科診療所開設
平成21年（２００９）　診療所を閉じてアジアの国々への国際協力に専念する（２０２０年まで）

（社）上田小県歯科医師会会長（１９９７～２０００）
（社）長野県歯科医師会理事（１９８２～８８）、監事（２００９～１３）
（社）日本歯科医師会常務理事（２００４～０６）
（一社）日本口腔衛生学会理事（１９８５～２０１１）
社会歯科学会監事（２０１６～１８）
日本口腔衛生学会・日本歯科医史学会・社会歯科学会会員
ＮＧＯ歯科保健医療国際協力協議会（ＪＡＩＣＯＨ）会長（１９９０～２０００）
ＮＧＯアジア歯科保健推進基金（ＡＯＨＰＦ）代表（２００１～２０２０）
ＷＨＯ短期専門家（ソロモン諸島）、ＪＩＣＡ短期専門家（ブラジル）

国際協力で関わった国々（１９９０～２０２０）
　ソロモン諸島、カンボジア、ミャンマー、ラオス、マレーシア・ボルネオ、東ティモール


著書・訳書
　国際協力に学ぶ―カールブッセ憧憬　２００２年　自費出版
　国際協力への途　２０２０年　自費出版
　共訳・医療に恵まれないところでの歯科保健の手引き（改訂版）　２０２５年　口腔保健協会

表彰
　平成15年（２００３）　中田厚仁記念基金褒章受賞（カンボジア支援協力）
　平成22年（２０１０）　ミャンマー歯科医師会名誉会員
　平成24年（２０１２）　日本歯科医学会会長賞受賞（地域保健・国際保健）