遥かな夏の日
(著) 山島潤三
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ページをめくるごとに、あの夏の日のかおりがする――
「川底の白い砂に、真夏の強い日射しがきらきらと輝いている。その水は透きとおるように澄んで、潤沢な流れが多く命を育んでいた。(中略)無数のハヤたちの身のこなしは、まるでたわむれているようにしなやかで、見飽きない。さまざまに変化する川の姿と、そこに生きる生物への興味がそうさせるのか、不思議に川は太一の心を惹きつける。太一にとって川は、かけがえのない友といえた。」(本書「ハヤ」より)
戦後間もない頃の愛媛県・松山市。そこには清らかな川が流れ、野山には美しく豊かな自然が残り、瞳を輝かせた子どもたちが無邪気に駆け回る風景が広がっていた――著者がかつて過ごしたひと夏の思い出を、詩情豊かに綴った作品集。
日本人の原風景がここにある。
【著者プロフィール】
山島潤三(やましまじゅんぞう)
1935年。高知県に生まれ、愛媛県に育つ。
1958年~1999年、松山市内の製菓販売業務に携わり退職後、環境保全と循環型社会に向けた企業の支援活動に従事した後、地元の文芸同人誌スクランブルに作品を寄稿している。
◆主な作品・ニュージーランドまごまご紀行、四万十ポレポレ譚、母の肖像他
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