記紀神話は日本の古代史を物語る:日向国の神々の聖蹟巡礼
(著) 宮﨑照雄
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―「天皇家のふるさと」は宮崎県にある―
記紀神話の日向神話を読み解くと、神話の本舞台は宮崎県北の旧臼杵郡であることがわかった。そこには、瓊瓊杵尊、豊吾田津姫(木花咲耶姫)、猿田彦、天鈿女、山幸彦(火火出見)、豊御毛沼など天皇家に連なる神々の真蹟がある。 ――これまで『紀・記』だけなく幾多の史書から日本の古代史を緻密に論考してきた著者が、近現代になり歪められ忘れ去られようとしている「日向神話」に光を当て、先学の論説ではなく原典と古蹟を礎石として木花咲耶姫の実像から神武東征までを鋭く論考した、「理系学者が読み解く」古代史第2弾。
[目次]
はじめに
この本の読み方
第一章 筑紫嶋日向國、宮崎県
第二章 侏儒と隼人 ― 木花咲耶姫は隼人の女神ではない
第三章 瓊瓊杵尊天降り前記
一、伊弉諾尊の橘小門での神生み
二、伊弉諾尊と委奴国王
三、「いな国(委奴国)」は「伊那国」であるという私見
四、伊弉諾尊と三貴子化生
五、鉅奴国(狗奴国)の男王卑弥弓呼
第四章 瓊瓊杵尊の天降り
一、『日向國風土記』逸文の瓊瓊杵尊の天降り
二、瓊瓊杵尊の天降りと猿田彦神
三、吾田長屋笠狹の御碕と木花咲耶姫
四、天下の高千穂宮
五、大山津見神と事勝國勝長狹神の正体と木花咲耶姫の出自
六、「漢委奴國王」金印下賜の謎を解く
七、磐長姫の銀鏡伝説
八、天鈿女命と猿女君
九、木花咲耶姫の火中出産
十、瓊瓊杵尊の可愛之山陵
十一、西郷隆盛を救った陵墓参考地(可愛之山陵)
第五章 山幸彦と海幸彦
一、山幸彦と海幸彦の誕生
二、山幸彦の海神之宮(綿津見神之宮)訪問
三、山幸彦を乗せた一尋和邇・一尋鰐
四、海神之宮の正体
五、海幸彦の服従
六、豊玉姫の出産と和邇・鰐、ワニ、サメ
七、豊玉姫と玉依姫の正体
八、山幸彦(火火出見尊、火遠理尊)の陵
九、日本神話の南方説話源流説は壮大な虚構?
第六章 その後の海幸彦
一、隼人阿多君之祖となった海幸彦
二、吾田君小橋等之本祖を解く
三、吾田と阿多の大論争
四、川上梟帥と日本武尊
第七章 高千穂論争を終焉させる
一、瓊瓊杵尊が天降りした日向襲之高千穂峯
二、瓊瓊杵尊は霧嶋嶽の高千穂峰に天降りしていない
第八章 日向国の髪長姫
第九章 神武東征前記
一、東征の決断
二、美々津と立磐神社
三、神武東征後の日向国
第十章 神武東征
一、美々津から筑紫国岡田宮へ
二、筑紫国の岡田宮から吉備国の高島宮へ
三、『記』の征旅と吉野川沿いに鎮座する木花咲耶姫と海幸彦
四、宇陀の高城での鯨の御謡
五、神武歌謡の神風の伊勢の海
六、神武歌謡の伊勢の海の生石
七、神武歌謡があかす上代の日向
第十一章 「神風の伊勢」論争
一、本居宣長の『古事記伝』にみる伊勢の大石
二、『伊勢國風土記』逸文に見る伊勢の神風
第十二章 大和朝廷の樹立
第十三章 伊勢ヶ浜と伊勢神宮
一、天照大神の神魂の鏡
二、天照大神神話の実像
三、天璽瑞宝十種の瀛都鏡
四、天照大神の形代
五、天照大神の遷幸遷座
六、天照大神の伊勢鎮座
七、伊勢国猿田彦神社と日向国の伊勢ヶ浜の国人
参考文献
後記
著者略歴
[著者略歴]
宮﨑照雄(みやざき てるお)
1949年 三重県生まれ
東京大学大学院農学系水産学修士課程修了 農学博士(東京大学)
三重大学名誉教授
三重県立大学水産学部、三重大学水産学部、三重大学生物資源学部にて、
魚の病気を40年間、教育・研究してきた
学術論文・著書(和文・英文)多数
歴史関係著書
停年を機に、若い頃から興味を抱いていた「日本とは?」「日本人とは?」を探求するべく、日本の古代史を温ねることにして、『古事記』、『日本書紀』、などの古史書を熟読した。その成果をまとめた論文「神武は鯨を見たか? ―神武東征と神武歌謡を考える」は、平成27年「邪馬台国全国大会in福岡」における論文募集において最優秀賞を受賞した(『季刊 邪馬台国』131号 2016年)
『三角縁神獣鏡が映す大和王権』梓書院 2010年
『記紀神話は日本の古代史を物語る 日向国の神々の聖蹟巡礼』スピリチュアルひむか観光協議会
2017年
『理系学者が読み解く『魏志』倭人伝 女王卑弥呼が都した邪馬台国に到る』三重大学出版会
2019年
『理系学者が読み解く記紀神話 記紀神話は日本の古代史を物語る』幻冬舎 2022年
『邪馬台国最終定理 ―理系学者が読み解く『魏志』倭人伝と邪馬台国の所在地』22世紀アート
2023年
[担当からのコメント]
本書は、理系科学の知識をもって解き明かされた宮崎県北の「天皇家のふるさと」の旧蹟・古蹟を多数紹介しています。本書(スマホ、タブレット)を片手に持ってそれらの聖蹟を巡礼してみてはいかがでしょう。きっと楽しい旅になるはずです。また、前著『邪馬台国の最終定理』も併せてお楽しみください。
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