西田幾多郎にとって、禅とは何だったのか:西田哲学に宿る参禅体験を紐解く
(著) 岡廣二
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ー禅の精神が眠る哲学ー
日本を代表する偉大なる哲学者・西田幾多郎。彼が41歳の時に出版した『善の研究』は、東洋に固有な考え方や体験を哲学的に表現し、日本の近代哲学を確立した名著ともいえるが、その誕生の背景には西田個人の参禅体験があったのである。
西田幾多郎が最も尊敬した典籍とされる『臨済録』は『善の研究』の中にいかに息づいているのか。西田哲学における核心的な概念の一つである「絶対自由の意志」とはどのような立場を意味するのか、など、その思想の底流に禅の精神が流れる西田哲学の精髄に迫る小論集。
[目次]
まえがき
第一章 西田哲学の核心……『善の研究』における「己事究明」
第二章 「見神の事実」……「神人同体」としての神
第三章 「体験」と「論理」の結合……「絶対自由の意志」
第四章 「主観性哲学」克服への道……「場所」
第五章 「自覚」……その認識構造と論理形式
第六章 師弟の対決……西田の「絶対無の自覚」と田辺の「絶対弁証法」
付録(一) 真実在の論理……「絶対矛盾的自己同一」
付録(二) 道元禅と西田哲学との一接点……「自受用三昧」と「純粋経験」
著者のプロフィール
[担当からのコメント]
西田幾多郎といえば日本を代表する哲学者の一人ですが、実は相次ぐ個人的なトラブルによる苦しみから、禅の修行に打ち込んだ過去があったことはご存知でしょうか。仏教的な「無」の思想や「悟り」の境地を哲学的に整理した西田幾多郎の思想。禅に関心のある方はぜひこの機会に学んでみてください。
[著者のプロフィール]
岡 廣二(おか・ひろじ)
昭和18年 栃木県に生まれる。
昭和41年 早稲田大学第一法学部卒業・文学研究科史学専攻修士課程入学(〝不詳の弟子〟の師は西洋中世史家で、いわゆる「京都学派」四天王の1人・鈴木成高)。
昭和47年 同専攻博士課程単位取得中退。私立十文字高等学校勤務。
※なお、昭和42年、西田の門弟・西谷啓治の『宗教とは何か』に衝撃を受け、京都に参師聞法をする。また、この頃より同門の下村寅太郎の「プリムツアール会」に参加。退職後、駒澤大学の「日曜参禅会」に参席。
※所属会員……「日本宗教学会」・「西田哲学会」
※著作……『西田幾多郎にとって、宗教とは何だったのか:西田哲学の独創性に迫る』(22世紀アート社)
※主要論文……「フランス文明における時間の観念」
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