西田哲学と禅
(著) 岡廣二
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―日本を代表する知の巨人の思想に分け入る―
日本の思想を代表する「西田哲学」、その出発点をなす『善の研究』において「事」としての禅で求められたものが「理」としての「西田哲学」にいかに移殖され、潜入しているのかを考察した小論・『善の研究』における「己事究明」、東洋の宗教的伝統をその独創性の源泉とする西田哲学において、神は如何に把握され思量されているかを考察した小論・「西田哲学における神」など、豊穣で奥深い西田哲学に鋭く分け入り、その神髄に迫ろうと試みる小論集。
[目次]
まえがき
第二章 「見神の事実」……「神人同体」としての神
第三章 「体験」と「論理」の結合……「絶対自由の意志」
第四章 「主観性哲学」克服への道……「場所」
第五章 「自覚」……その認識構造と論理形式
第六章 師弟の対決……西田の「絶対無の自覚」と田辺の「絶対弁証法」
付録(一) 真実在の論理……「絶対矛盾的自己同一」
付録(二) 道元禅と西田哲学との一接点……「自受用三昧」と「純粋経験」
[出版社からのコメント]
哲学は人間の真理を求める欲求から生まれ、主に西洋世界で練磨されてきましたが、それ故に日本人には馴染みにくい面もあります。本書は、自ら思惟する数少ない日本の哲学者の一人である西田幾多郎の思想を、理性の灯かりをかざしながら探究する知的冒険の書です。西田哲学を知る方もそうでない方も、ぜひこの知的冒険を楽しんでいただければ嬉しく思います。
[著者のプロフィール]
岡 廣二(おか・ひろじ)
昭和18年 栃木県に生まれる。
昭和41年 早稲田大学第一法学部卒業・文学研究科史学専攻修士課程入学(“不詳の弟子”の師は西洋中世史家で、いわゆる「京都学派」四天王の1人・鈴木成高)。
昭和47年 同専攻博士課程単位取得中退。私立十文字高等学校勤務。
※ なお、昭和42年、西田の門弟・西谷啓治の『宗教とは何か』に衝撃を受け、京都に参師聞法をする。また、この頃より同門の下村寅太郎の「プリムツア-ル会」に参加。退職後、駒澤大学の「日曜参禅会」に参席。
※ 所属会員・・「日本宗教学会」・「西田哲学会」
※ 著作・・・・『西田幾多郎と宗教』(22世紀ア-ト社)
※ 主要論文・・『フランス文明における時間の観念』
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