製紙王・藤原銀次郎:「王子製紙」を再建した名経営者
(著) 植地勢作
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ー渋沢栄一の意志を継ぎ、会社を再建した男ー
明治時代末期、瀕死の状態に陥っていた王子製紙の専務に就任すると、以後30年の長きにわたってその経営を担い、ついには国内市場シェア85%を超える大会社にまで仕立て上げた藤原銀次郎。その経営思想のDNAは、戦後の財閥解体によって現・王子ホールディングスを含む3社に分割された後もなお、現在に至るまで脈々と受け継がれている。
だが、医者になるために上京したはずの銀次郎はなぜ医学の道には進まず慶應義塾に入ったのだろうか。そして三井銀行、三井物産を経て王子製紙専務に就任した彼は、いかにして不振にあえぐその業績を回復へと導いたのか。
本書では「製紙王」との異名を持つ藤原銀次郎の生涯とその人物像に迫るとともに、慶應義塾大学理工学部の前身、藤原工業大学創設の経緯なども明らかにする。
[目次]
まえがき
発刊を祝す!! ―渡 克己
藤原銀次郎の一生
第1章 幼少期から少年時代
第2章 慶應義塾に学ぶ
第3章 大海に漕ぎ出す
第4章 王子製紙の経営
第5章 藤原工業大学の設立
第6章 国政に参画
第7章 スウェーデンに茶室「瑞暉亭」を寄贈
第8章 晩年
第9章 藤原銀次郎に対する世評
あとがき
<藤原銀次郎略年譜>
著者略歴
[担当からのコメント]
渋沢栄一によって設立された初代王子製紙。その後継会社にあたる王子ホールディングスと日本製紙は、ティッシュやトイレットペーパー、段ボールなどの製品を提供する企業として、現在も多くの日本人の生活に深く関わっています。そんな王子製紙の経営に大きな貢献を果たした藤原銀次郎の生涯と活躍が丁寧にまとめられた本書。王子製紙の歴史に興味のある方はもちろん、名経営者の人生や思想を学びたい方には大変参考になる1冊です。
[著者略歴]
植地勢作(うえじ・せいさく)
キュレーター(学芸員)
(文部科学省無試験認定)
放送大学大学院修士(学術)
1940年12月17日 三重県に生れる
1959年3月 和歌山県立新宮高等学校卒業
1964年3月 慶應義塾大学工学部管理工学科卒業
4月 日本パルプ工業㈱入社
・米子・日南両工場にてIE技術を用い要員配置適正化を推進
・本社にて電電公社のDRESSを活用して業界初の営業・生産オンラインシステムを構築
1979年3月 王子製紙㈱と合併
・研究開発本部にて特殊紙・情報用紙などの新製品開発に従事
・社史編纂室副室長として、本編、合併各社編、資料編の3巻からなる『王子製紙社史』を編纂
2004年5月~2010年12月 公益財団法人紙の博物館勤務
・徐福紙その他紙関連の論文を執筆するとともに、講演、テレビ出演など多数
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