蛍の舞う庭に焼夷弾――少年の見た太平洋戦争の記憶
(著) 川合二三男
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―誰もがいつ死ぬかわからない時代だったあの日―
まだ中学三年生だった昭和20年の夏、アメリカの超大型爆撃機B29の爆撃による焼夷弾で、生家は焼失してしまった。薬局だった生家で店番をした日々、お仕置きで入れられた押し入れの暗闇、母が調剤したよく効くと評判のカゼ薬につけた意味不明の名前、ねずみをつかまえるのが上手だった飼い猫のミーコ、「三隣亡」のほか名前のわからない石像、セミやトンボ、ツチグモ、青大将にヤモリ、夏になるとどこからともなく集まる蛍など貴重な観察場所であった庭、叔父に届いた「赤紙」、そして焼夷弾が降り注いだあの日――。少年時代の思い出とともに今、戦争という惨禍の日々を振り返る。
[目次]
蛍の舞う庭
[出版社からのコメント]
コロナウイルスの脅威に晒されている今、私たちは過去の戦禍の体験をより自らに引き寄せて感じることができる時間を生きているのではないかと思います。本書を通じて、そうした体験を多くの方に持っていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
川合 二三男(かわい・ふみお)
1930(昭和5)年 群馬県生まれ
旧制前橋中学校(現前橋高等学校)卒業
旧制富山高等学校(現富山大学)文科一年修了(学制改革)
金沢大学法文学部卒業(史学地理学科)
都立高等学校を定年退職
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