若手教師の勘ドコロ──基礎力を磨く授業づくり・HRづくり、教えます
(著) 片岡英明
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―渚を歩くイメージで、生徒たちと対話する―
クラス担任となった教師は、日々の授業だけでなく担任として様々な仕事をこなしながら、自分なりのクラスの構想や指導イメージを持って生徒たちを卒業へと導いていかなければならない。そこにはイメージ通りにはいかない現実と困難が立ちはだかり、多くの教師を悩ませる。しかし教師にとって学校という現場は、そうした困難とともに教育の可能性と発展のための課題も見出すことができる最良の舞台でもあるーー教師として約40年にわたって現場に携わってきた著者が、これからの教育を担う若い教師に向けて、教師の基礎力を養い創造性をもって指導を実践していくためのヒントを、HRづくり、授業づくり、学校づくりというテーマで綴った実践記録。
[目次]
教師は現場で鍛えられる ――はしがきにかえて
序章
1 若い教師へのメッセージ
2 現代の高校生をどうとらえるか ――渚を歩くイメージで対話すると
3 詰め将棋による教育探検 ――グチから場面を切り拓き指導力をつける
第1章 HRづくり
1 HRづくりの極意
2 さりげない問いかけ「調子はどう?」から変化球には「まいったな!」 ――クラスにこんな子いませんか?
3 学級懇談会で「親子の対話」を考える ――対話の4ステップの提案
4 夏休み明けの変化を指導のチャンスに ――担任のソフトなリスクマネジメント
5 HRを友達づくりの場とするために ――今年の私のクラスから考える
6 授業力をつけ楽しい授業をつくるために ――やる気のない生徒のメッセージをどう読むか
7 多忙な若手教師のための授業づくり ――対話の場面をつくり,自分の時間を持つ
8 面接指導を通した生徒の学びを深める方法 ――初級・中級・上級の各ランクを用いた3年生9月からの面接指導
9 対話と面談を生かしたHR指導 ――生徒は自分で語り,進路に向かって自分流の学びを始める
10 高校生のいま ――この課題にどう応えるか
11 学級委員候補との出会い方
12 退学は敗北ではない ――中退を求める生徒にどう接するか
13 こじれを生かす『次の指導』の発送
14 カギは生徒の行動・反応パターンの蓄積 ――授業で「指導」をつらぬくために
第2章 授業づくり
PART 1 教師の構え
1 「教師として一番疲れがたまらない体になったとき」 -指導力がつくとストレスが高まったが
2 「教師として一番水際の仕事を自分の波長に組み替えたとき」 -集めノート,学級懇談会,面接練習のはなし
3 おしゃべりが気になりだしたときがチャンス -5・6月の授業づくりから「学びの大河」へ船出を
4 授業を楽しむ教師へのメッセージ -読みを深めて記述に至る授業のすすめ
5 35年目のアントレで考えたこと ―教科書読解力を記述に生かす
6 授業のどこかで生徒に問いかけ,応答を楽しむ -探求のある授業づくり
PART 2 授業の構え
1 授業を組み立てる
2 前もって宿題を出して対話する ――4月の授業のはじめ方
3 「このように学べば力がつく」体験を ―5月の授業でもう1本ヒットを打つために
4 英文法の構造的な学びとひとくち英文法 ――9月は第2の授業開きを
5 1年間楽しむために4,5月を ――入門期の教育探検
6 「静かに」の前に冷静な観察を ――私語・おしゃべりにどう臨む?
7 授業の工夫が生まれるとき ――40代教師の悩みにひそむ可能性
PART 3 読み
1 発問と対話を楽しむ授業 ――“A Mother's Lullaby”の読みを深める
2 教科書で読みの技法を
3 長文は読み・分析のステップを大切に ――英語苦手な生徒が長文読解へ挑戦するために
4 授業の知的探検のすすめ ――要約の指導を組み立てる
PART4 文法その他
1 UNICORN Ⅱの読みと 読みのための英文法
2 間違える生徒が多いときこそ工夫のチャンス ――ひとくち英文法が生まれるとき
3 時制とは――動詞の形で表す時のこと ――ひとくち英文法でまず全体をとらえる
4 比較とは――科学の基本:分けて比べる ――何を比べ,基準は何かを考える
5 話法とは――伝達動詞sayの使い方にあり ――ひとくち英文法の提案
6 夏休みに『沖縄』を読み,訳す 3 STEPの課題指導で得られるもの
7 ひとくち英文法の試み ――英語再スタートの生徒のための英文法
8 doとdoesの使いわけ ――一般動詞の疑問文と否定文
9 英語がわかりはじめるときをどうつくるか
10 仲間意識をはぐくむ授業 ――集団学習の表と裏
PART 5 教師のはじめの10年間で気づいたこと
1 英語アレルギーの解消をめざして ――学習班の導入と授業規律の確立
2 「英語アレルギー」にどう切り込むか ――「中学英語の3つの落とし穴」から始めて
3 実践の糸口を探る ――『グチから教育探検へ』
4 新人類教師へのメッセージ ――授業を楽しむ教育探検のすすめ
第3章 学校づくりと教師の学び
1 私学の学校づくり
2 学校・教育づくり,査定問題討議資料
3 自分の頭で考え学校づくりをするために ――「学校づくり」に役立つ本
4 私学の中小企業としての茨城私教連の手づくり運動
5 名実ともに勝つために ――『中国古典の言行録』(宮城谷昌光 文春文庫)を読んで
6 私の知的生産の技術
7 これからの進学指導について
8 学習相談 ――浪人する君への学習アドバイス
初出一覧
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
本書は主に教師を対象にした教育実践の作品ですが、仕事などで若い世代とのコミュニケーションに悩む方や、指導する立場にあるにとっても示唆に富む内容となっています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
片岡英明(かたおかひであき)
1950年,福島県生まれ。1969年福島高校卒業。
1973年茨城大学卒業後,太陽コンサルタンツに2年間勤務。
1977年茨城大学大学院農学研究科修了後,
1977年4月から霞ヶ浦高等学校教諭,39年間勤務し,
2016年3月退職。
主な編著書に,
・高等学校英語Ⅰ教科書「WORLD Ⅰ」(三友社)1990年
・『新英語教育講座』全20巻(三友社)1987年
・『たのしくわかる英語100時間』(あゆみ出版)1990年
・2023年2月〜,月1回,NEWSつくば(ネットニュース)に「竹林亭日乗」の名でコラム掲載
*意見・感想などは次に寄せてください。
kataoka1146sugamanomurabito@yahoo.co.jp
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