花の舞踏曲(ワルツ)
(著) 三田薫子
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―人間とはどうしてこうも愚かしい生き物やったろう―
姫香は絶対、俺の娘なんかでない。殺しても殺しても殺したりんあの男、香取天平、奴の子や。中学生が幼女を辱めた事件、その当事者だった絹代と天平。絹代は俺の妻となり、天平は東京の大学に進学して今や一流企業の部長になっている。しかしあの火あそびは、今もずっと続いておるのだ――。教育者だった父がかつて母に向けた銃口の記憶、仲の良かった親たちと同じく親友だった浜幸と天平と俺こと雨宮賢一。金沢の地で親子二代にわたって続く人間の業を、上海爆弾事件の尹奉吉への思いを絡めながら描いた長編小説をオーディオブック化。
[目次]
道の下埋葬
ゆきどまり
トゥールル公園
ガンダルと掘っ立て小屋
拳銃
絹代
シャム&ペルシャ
浜野屋の宴
プリンス
狂った楽園
焦らずに暴け
花のワルツ
あとがき
解説(白鳥正夫)
[担当からのコメント]
人はひとりで生まれてひとりで死ぬ、その寂しさに耐えかねた生が人生となって狭間にある――本書の読後感には言いようのない寂しさと、愚かさや不条理に対するやるせなさと、それでも人間に目を向けようと思える優しさがあります。普段は心の底に置き去りにしている情緒にそっと触れるような、そんな読書体験をぜひオーディオブックという新しい形で味わっていただければ嬉しく思います。
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