自然科学を哲学する:その自然像の考察と統一的自然観の構築を目指して

(著) 竹之下芳也

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作品詳細

[商品について]
―ここには自然の法則と真理の問題がある―
人類の歴史の中で、人間の科学的な思考活動は、その自然認識の発展の歴史と密接に関連しながら様々な変化を遂げてきた。実践活動によって一層確実なものとして発展してきた人間の自然に対する認識は、やがて自然科学として体系化され、自然の法則を明らかにし、自然の摂理や事象の真理を追求・明確化する存在となった。本書は、現代自然科学が描く自然像について、その歴史を繙き、科学論の中心にある「科学とは何か」「科学的とは何か」という問題を意識しながら、自然科学の性質を論じようと試みた作品である。認識の一形態であり社会的事実でもある科学について哲学の領域にも踏み込み、唯物論が描く現代自然科学の最先端の諸成果を網羅しつつ、統一的な自然像の構築を目指す。科学史という壮大な実験場を俯瞰しながら、科学的認識をより深化させていくための一書として、示唆に富む内容となっている。

[目次]
はじめに
Ⅰ 自然観の変遷と自然科学の成立1)
1. 先史時代の自然観
2. 古代ギリシア,ローマの科学
3. 中世の科学(5~14世紀頃まで)
4. ルネッサンスと近代科学の確立(14世紀~17世紀)
5. 現代の状況
Ⅱ 自然科学における諸概念と自然の論理4)
1. 物質について
2. 物質と運動という現象
3. 空間と時間
4. 質と量……個々の物質を規定するもの
5. 本質と現象
6. 必然性と偶然性について
7. 連関の科学としての弁証法
8. その他のカテゴリー
Ⅲ 自然の累層的構造と現代自然科学
1. 自然の累層的構造
2. 現代自然科学の分類
3. 自然科学の研究方法7)
各論
Ⅳ 力学的運動と宇宙
1. 質点の運動
2. 力と万有引力
3. 運動量とエネルギー保存則
4. 相対運動と空間・時間
5. 力学的空間としての宇宙
Ⅴ 集団の運動としての熱とエントロピー
1. 熱の本性をめぐって
2. 熱の世界と熱力学
3. エネルギー保存則とエネルギーの形態
4. 可逆過程とカルノーの熱エンジン
5. 熱力学第二主則とエントロピー
6. マクロ運動とミクロ運動
7. エントロピーと人間と地球
Ⅵ ミクロの世界(量子力学的世界)
1. 光の二重性と物質波
2. 不確定性原理
3. 量子力学的世界の特徴
4. 素粒子の世界と宇宙誕生
5. 原子核の世界と恒星
6. 原子の世界と物質発展の新段階
7. 分子的世界
8. ミクロからマクロへ
Ⅶ 物質進化(EVOLUTION)
1. 宇宙進化と宇宙の構造
2. 星の誕生と化学物質の起源
3. 地球の構造と進化史32)
Ⅷ 物質進化(2)
1. 化学進化と生命の誕生
2. 生命とは―有機的自然の特徴
3. 生物とは――有機的自然の論理構造41)
4. 生物の分類と系統樹と生物進化
5. 統御・通信系の分化・発展
6. 労働と思考の進化41)
7. 社会的自然の特徴と前史
引用文献および注
略歴

[出版社からのコメント]
現代の私たちが認識する世界像にとって科学は不可欠のものですが、一方でその科学が作り上げてきた世界像がどの様なものであるのかということについては、普段あまり考えることがないのではないでしょうか。本書を通じて、改めて科学や私たちが認識する世界像について、考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
竹之下 芳也(たけのした・よしや)
北九州大学名誉教授
略歴
北九州市立大学名誉教授(2004年から)、82歳(1938年生まれ)。
専門:化学 および 科学哲学
出版物:「現代自然科学による統一的自然像」(開成出版)、「ヘーゲル、エンゲルス科学観を葬り、唯物論者達の教条主義を批判する」(文芸社)
趣味:登山(岩登りなど)、スキー、バドミントン、マラソン、園芸、物づくり。
e-mail:yoshitak77@aql.bbiq.jp/yoshitak75@gmail.ne.jp/

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