美味しさ訪ねて世界の旅 ──出会いとディーセントな食レポ──
(著) 和仁皓明
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――チーズが登場する「脂肪の塊」が出世作となった19世紀フランスの作家は次のうち誰か。
1.ゾラ、2.モーパッサン、3.フローベール
正解は、本書フランス編の「貧者の糧」をご覧ください。
オテル・ド・パリで味わった、フランス料理界の重鎮アラン・デュカッセの料理の思い出を綴った「オテル・ド・パリ」。チーズの印象が薄いポルトガルでの、ヴィリャヨンと呼ばれるチーズとの印象深い出会いを描いた「ろばの白いひづめ」。インドの乳製品を通じて、奈良時代の蘇と呼ばれる謎めいた乳製品の正体に想いを馳せる「ふたたびインド」。——世界各地のチーズを通じ見えてくる、音楽、文学、歴史など、その土地の風景を軽やかな筆致で描いたエッセイ集。
[目次]
フランス編 フランス
オテル・ド・パリ
ニースの街角
オウゾリーヴ
ブール・クラリフィエ
アンドルーエにて
パリの老舗
貧者の糧
サン・ピエールの香り
ブルゴーニュのカシス
シャトーブリアン
シェーブルをつくる
オ・レ・クル
南欧編 イタリア・ポルトガル・スイス
水牛のチーズ
ミラノのリゾット
ジェラートのある街角
ろばの白いひづめ
ヴィーニョ・ヴェルディ
フォンデューの香り
キッシュとの出合い
黄金の山
フォンデュのこと
リゾット・コン・フンギ
プロシュートのある午餐
イタリアの明るさ
アルバ・メディカ
中欧・北欧編 デンマーク・ノルウェー・オランダ・ドイツ・ハンガリー・イギリス
オーゼンセの町
スメアブレーツのこと
白夜の国々
朝食の風景
北緯五十度のこと
美しき五月
ジプシーたちのチーズ
アバーデーンにて
フォートナム&メイソンから
リ・オ・レ
地中海編 ギリシャ・トルコ・モロッコ
白の風景
イスタンブールの朝食
フロマージュ・ブラン
羊たちの季節
ふたたびイスタンブール
お国柄が見える
アメリカ編 アメリカ
豊かにして力強き
クラムチャウダー
スフレ・ド・フロマージュ
カレッジパークのころ
コシャーズ・パストラミ
アベルの末裔
クリームの豊かさ
ビスクの香り
辺境に住む人々
アジア編 モンゴル・ネパール・インド
草原の聖餐
ビラトナガールの風景
アグラの町から
バザールから
ふたたびインド
醍醐随想
名残の夏
囲炉裏のかたち
旅の終わり
狭き門より
あとがき
〈著者プロフィール〉
[出版社からのコメント]
文章から、本当にチーズが好きなのだと伝わってくるエッセイ集です。チーズ好きの人にとっては旅のお供に、チーズに少しでも関心のある人にとっては、いわばチーズ入門としても楽しめるでしょう。
〈著者プロフィール〉
和仁皓明(わに・こうめい)、農学博士
略歴:一九三一年北海道函館市産まれ、東北大学農学部、米国メリーランド大学大学院卒業、農学博士。一九五五〜一九九一年雪印乳業株式会社勤務。品質管理、研究開発などの職歴を経て退職。一九九二〜二〇〇六年東亜大学大学院応用生命科学専攻教授(食物文化論、食物評価論)、茨城大学、山口県立大学、くらしき作陽大学などの講師を兼任。
現在、京都、広島、山口、福岡四県の食文化研究者による「西日本食文化研究会」を主宰。現在に至る。
学術・社会活動:一九九一年日本食品保蔵学会賞受賞、二〇一一年フランスチーズ鑑評騎士の会名誉シュヴァリェ・特別功労者、二〇一二年Jミルク「乳の学術連合:乳の社会文化ネットワーク」幹事。
著者、訳書:『レストランのサービス』(共著・柴田書店一九九〇)、『食と栄養の文化人類学』(訳書・中央法規一九九一)、『乳利用の民族誌』(共編著・中央法規一九九二)、『昼下がりのアントルメ』(共著・私家版一九九三)、『食文化入門』(共著・講談社一九九五)、『食生活の成立と展開』(共著・放送大学教育振興会一九九五)、『基礎食品工学』(共著・建帛社一九九六)、『チーズのある風景』(単著・出版文化社一九九五)、『離乳の食文化』(単著・中央法規一九九九)、『気分はお寿司』(単著・瞬報社出版二〇一〇)、『健康・機能性食品の基原植物事典』(共編著・中央法規二〇一六)、『アンコウはアヒージョで』(単著・KADOKAWA二〇一七)、『牧野のフロントランナー』(単著・デーリーマン社二〇一七)、『人は何故それを食べるか』(共著・中央法規二〇一七)、『近代日本の乳食文化』(共編著・中央法規二〇一九)、『健康・機能性食品の基原物質事典』(共編著・中央法規二〇二一)など。月刊誌「乳業ジャーナル」に酪農乳業関係エッセー『醍醐随想』を五年間連載、他に論文類多数。
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