美の位相(トポロジー) -表現の構造的研究-
(著) 森田文康
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―美の時空を織りなす感性と表現のコスモロジー―
人類は如何にして普遍的な美を獲得したのだろうかーー。素材同士の響き合いにより新たな表現を生みだす手法を「響合」と名付け、詩歌や美術、茶の湯など古今の芸術活動の中に潜んでいるこの手法を取り出して、その時代的変遷が指し示す統合的概念としての「響合」を考察しながら、美の表現における普遍性をマクロ的に考究した「位相」的で「構造」的な、刺戟に満ちた美学論研究。
[目次]
凡例
序
第一章 美と連想の共有
一 定義的表現と比喩的表現
二 連想の資源
三 響合とその分類
第二章 詩歌と響合
一 古代詩歌の響合
① 会意文字
② 対句
③ 枕詞・縁語
④ 和漢朗詠集(長和二年1013頃)
二 中世詩歌の響合
① 定家と響合
② 連歌の寄合・付合
③ 俳諧の取合せ 疎句
三 近現代詩歌の響合
① 共時
② 二物衝撃
第三章 美術と響合
一 古代・中世美術と響合
① アトリビュート(Attribute)
② 玉虫厨子
③ 詩画軸
④ 同朋衆と三幅飾り
二 近代絵画と響合
① 共時(マネ〈草上の昼食〉について)
② バルール(Valeur)
③ コラージュ(Collage)
三 現代美術と響合
① ダダイズム(Dadaïsme)
② シュールレアリズム(Surrealism)
③ ポップアート(Pop art)
④ コンセプチュアル アート(Conceptual art)
第四章 茶の湯と響合
一 連歌と茶の湯
二 道具組(意味の響合)
三 道具組(質の響合)
四 茶の湯に於ける場の響合
① 見立て
② 銘
③ 茶花
五 和漢の境
① 心の文
② その他の珠光の言葉
③ 珠光の正体
第五章 工芸考
一 絵画空間と工芸空間
二 第二芸術論について
跋
著者プロフィル
画像出典
[担当からのコメント]
美というものは観念的で抽象的なものですが、本書では和歌から絵画、工芸にいたるまで、様々な分野の美を独自の手法で分析しながら美というものの本質に迫っていきます。また本書は視点を変えた日本美術史論として、あるいはアートや文芸をより楽しむための副読本としてもご活用いただける内容になっています。ぜひご一読ください。
[著者紹介]
森田 文康(もりた ふみやす)
東京都在住
本籍地 京都市
号:素人(そじん) 茶名:宗文
美学美術史研究会主幹。
森田塾主幹。
元都立児童自立支援施設非常勤講師。
美術史研究の傍ら、茶の湯、短歌に親しむ。
著書:『増補改訂 茶の湯銘事典』『折々の銘』22世紀アート
入選:『朝日歌壇』選者二十周年記念秀歌選。
「NHK全国短歌大会」秀歌。近藤芳美賞。
問合せ先HP:私の書斎 森田文康https://morita-jyuku.com/syosai/contact-us/
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