繭のみる夢──ほの昏き青春の旅路のはてに
(著) 髙野真弓
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―夢が敗れてもいいさ、現実の前に絶望するよりは―
二度の睡眠薬自殺で死ぬことができなかった亮太郎は、ともに心中自殺をした里枝への想いを胸に秘めながら、夢を見つけてもう一度生きようと決意する。大学を休学し、偶然見つけた下町の工場で働き始める亮太郎。しかし歓迎会で訪れたスナックで、里枝と同じ店でホステスとして働いていた美貴と再会したことで、亮太郎は心中の事実を同僚たちに知られてしまう──理想の家族を求めた果てに起こした過ちと、最愛の人を失った孤独に苛まれながら、明日に背を向けた終わりなき日々と訣別するためにもがき続ける一人の青年の心の遍歴を、詩情豊かな下町の情景と共に描いた物語。
[目次]
絶望の生還
命、そして黄泉行
あの日、あの部屋
行路序曲
魂の再誕
歩一歩
新生、独居生活
異邦人の来訪
それぞれの来し方
半醒半睡
迷妄の報い
蹉跌が残したもの
片親三兄妹
エピローグ
【著者紹介】
[担当からのコメント]
子供から大人へと変わるためのモラトリアムの季節、青春とはそういうものかも知れません。蝶が蛹をやぶって成虫になるように、青春の繭をやぶって人が子供から大人になるとき、人は何を得て何を失うのでしょうか。ぜひ本書とともに、あの青春の日々を思い出していただければ嬉しく思います。
[著者紹介]
髙野真弓(たかの・まゆみ)
東京・浅草生まれ。
國學院大學卒業。
日本大学大学院卒業。
慶應義塾大学大学院修了。
税理士。
著書『青春の彷徨(さまよい)』(梧桐書院 二〇〇六年)
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