笹子トンネルの天井板はなぜ崩落したのかーー建築現場のプロの眼で見た日本の事故・災害

(著) 小林務

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[商品について]
―「想定外」はもはや人災ではないのか―
トンネルの天井コンクリート板が延べ140メートル近くにわたって崩落し、走行中の車を含む3台を下敷きにして死者9名、重軽傷者2名という大惨事を引き起こした笹子トンネルの崩落事故は、なぜ起きたのか。台風の接近に伴う大雨で予想を超える水が流入し、満水の危険を回避するため放水量を通常の4倍に増やしたことにより下流域に甚大な被害をもたらした愛媛県肱川の鹿野川ダム、野村ダムの放流は、何が問題だったのか。一級建築士として数多くの建設現場に立ち、現在はその豊富な経験と技術・知識でアドバイザーとして活躍する著者が、笹子トンネル事故、福島原発事故、西日本豪雨洪水被害、碓氷峠スキーバス転落事故を例に専門家の視点から行った検証・考察の記録。

[目次]
はじめに
笹子トンネル天井板崩落事故
一 毎年行われる追悼慰霊式
二 甲州街道・国道二〇号線と高速中央自動車道
三 何故高速道路のトンネルに天井が必要か
四 天井板は何故崩落したか
五 トンネルの設計上の問題点
六 中央道恵那山トンネルの場合
七 トンネル内の事故は怖い
八 人命は何よりも尊い
東日本大震災と福島原発事故
一 東日本大震災の被災地を歩く
二 福島第一原子力発電所建設
三 何故、原発事故が起こったか
四 非常用設備機器の配置場所
西日本豪雨洪水被害の中で
一 肱川(ひじかわ)のダム放流による洪水災害
二 その時、野村ダムは……
三 肱川・鹿野川ダム放流による洪水災害
四 水を愛し川を楽しむ
軽井沢碓氷峠(うすいとうげ)スキーバス転落事故
一 スキーバス転落事故
二 救助・救出活動始まる
三 救急搬送
四 何故こんな事故が起こったのか
五 ご遺族の皆さんは
おわりに
著者プロフィール

[担当からのコメント]
事故や自然災害は毎年のように日本各地で起きていて、福島原発事故でさえ記憶の風化が始まっていますが、本書を読んでいるとこうした重大事故や災害をしっかりと検証して次に活かすという試みはあまりされていないことに気づかされます。個人の防災意識だけでなく、社会や国としての防災についても考えさせられる一書です。ぜひご一読ください。

[著者プロフィール]
小林務(こばやし つとむ)
長野県出身。神奈川県在住。一級建築士・建築設備士・一級施工監理技士。大手建設会社に41年間勤務。主に電力エネルギー関連の石炭・石油・LNG火力発電所・原子力発電所・超高圧変電所等の大型建設工事の建設現場に従事。豊富な現場経験と技術・知識を持ち設計監理・技術アドバイザーとして活躍中。

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