神という機械への夢:サンリオSF文庫 カバーアート全ガイド

(著) 大宮信光

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作品詳細

[商品について]
―豊穣で刺激的なSFの海に、いま漕ぎ出そう―
20世紀に生まれた新しい表現形態としてのSFは、科学技術の進歩の成果を貪欲に吸収しながら、多様なガジェットを駆使して時代が持つ精神性の深奥部に潜む恐怖と憧憬を見事に吸い上げてみせた。変化し超克することを不可避の命題として内包しつつも、SFはいっぽうでSF的作法ともいうべき自己同一性によって、創造性のダイナミズムの中で常にSFであり続けてきた。本書は、これからその広大なSFの海に乗り出そうとする方に向けて、今も根強い人気を誇るサンリオSF文庫の作品の表紙カバーを集めてSF的な解説を加え、知的冒険の航海図たらんと意図した、一風変わったSFガイドである。初心者から筋金入りの愛好家まで、お楽しみいただける内容となっている。

[目次]
はしがき⦿SF探険への誘い

第一部 【サンリオSF文庫 カバーアート・ガイド】
ACT=1
ACT=2
ACT=3
ACT=4

第二部 テーマ解説
ACT=1
宇宙船の詩(うた)
機械への夢と悪夢
トランスミッター 銀河に潜む悪
多層宇宙(パラレル・ワールド)
超人類への進化
ユートピアからの放浪
ACT=2
時の風の吹くところ
窓のない世界
戦争への陶酔、廃墟というテキスト
不死か、共生か
フォスの世界
ACT=3
両性具有
変身・分身
魔薬の魅惑
影あるいは闇
ACT=4
地・水・火・風
相対論的哄笑・量子論的スキャンダル
都市の読解からサーカスの記号論へ
SF病にSF療法――世紀末をこえて――

第三部 特別増補 SF宇宙の円盤たち―スペース・シップ幻視行
1 円盤を見ると、見られて
2 円盤を待つことからロケットをあやつることへ
3 宇宙船を生きる ――「で」から「を」へ――

第四部 特別増補 ブランコから降りずに―太陽系文明の成立と崩壊
§1.ブランコではなくて,すもうで大丈夫か……
§2.還らざる時河(タイム・リバー)の歌
§3.盆栽と宇宙船
§4.宇宙帝国へ!
§5.花開く宇宙船文明
§6.宇宙樹にさす光と影

あとがき⦿
著者略歴

[出版社からのコメント]
SF的な世界観は文学から映画、マンガなど様々なジャンルに広がり、私たちの日常世界に溶け込んでいるものも多くあります。かつてSFで描かれた火星人はいなくなっても、火星に生命が存在する可能性がある限り火星人は生き続けるように、SFはいつの時代も現実を超えて躍動する生命力に満ちています。本書を通じて、この終わりのないSF世界に触れる愉しみを味わっていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
大宮信光(おおみや・のぶみつ)

科学評論家。科学ジャーナリスト。1938年東京神田の生まれ。東京教育大学(現在の筑波大学)在学中から家庭教師、塾経営をはじめ、67年にSF同人誌『宇宙塵』に参加。78年ごろから、SF乱学者、科学評論家を名乗り、本人は科学技術と文明の未来を中心テーマに、森羅万象を狩猟・採集・料理すると称しているが、日暮れてなお道遠し、のようである。82年に日本SF大会実行委員長に担ぎ出される。同年、『科学ウッソー? ホントー!人類の運命はどうなるのか』(光文社カッパブックス)、『神という機械への夢―サンリオSF文庫カバーアート集』(サンリオ)の監修&解説をする。テーマ別の解説は引き続き、84年に『SFの冒険 誤読と悦楽のSF地図』(新時代社)としてまとめられた。著作は多数あるが、とくに『世界を変えた科学の大理論100 ニュートン力学から最先端理論まで現代文明を支える科学の全貌』(日本文芸社)は版を重ねた。

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