祖先文化へのまなざし : 永遠の美
(著) 藤井善三郎
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やさしく、わかりやすい、それでいて、時の流れにそって、美術品のよさを、感じていただける「文物が物語る中国美術史」を大学での講義や、講演に用いた毛筆でのレジュメ、又、以前新聞に掲載したエッセーに、今回新たに美術品の写真を付加して、気楽に、楽しく読んでいただける学術書でない、中国文化を多岐にわたり、幅広く豊富な図版とともに説明する美術書を書きたいと思い、出版することにした。(中略)本書が多くの人に美術品を鑑賞し、愛好するきっかけとなれば大きな喜びである。
(本書「出版にあたって」より)
[目次]
出版にあたって
第1章 歴史に翻弄された中国文物
第2章 辛亥革命の孫文と日本人
第3章 中国について
(1)中国という呼び名は
(2)中国は、どの位の大きさなのか
(3)東洋とか西洋はどこか
(4)世界四大文明の一つは黄河文明だけか
(5)中国は、夏殷周と時代を単純に考えられるか
(6)わが国と中国文化との関わりは
第4章 漢字の歴史と書芸術
(1)漢字の起源と流れ
(2)書芸術への発展
第5章 北宗画(職業画家)と
第6章 仏教の流入と仏像の起源
第7章 古代青銅器を現代科学で讃美
(1)古代青銅器を現代科学で讃美
(2)分析機器を用いての測定結果について
(3)青銅器について
第8章 中国の古代玉と翡翠
第9章 科挙(かきょ)の功罪について
第10章 祖先文化に習った日本文化
(1)日本の文字と書の流れ
(2)節句の由来について
(3)日本の暦について
(4)十干十二支について
第11章 有鄰館
(1)有鄰館と藤井善助〈四代目〉
(2)有鄰館の印と印譜
(3)国際交流の文物
(4)芸術様式の宝庫・長楽館と「無」の思想
――芸術様式の流れ――
第12章 随想
(1)古美術うらおもて 京都新聞連載(昭和45年、46年)
ファン拡大と鑑賞態度
青銅器の味
仏像の微笑
水墨画
書――文字の芸術
ある美術鑑賞――比較して鑑る
中国陶磁
印章
朝鮮の陶器
文化財の所有と責任
青銅器の秘密
玉
漆器
硯
博物館の使命
副葬品雑感
貨幣
画像石
鏡
楽器
武器も古美術
中国の帯鉤
銅器の絵文字
度量衡
絵画
心で鑑る――中国美術雑感――
写しと模造――心の持ち方で偽物になる
東洋のこころ――中国美術
土偶雑感
形と心の鑑賞
馬
(2)私との対話―宗教的な鑑賞 中日新聞掲載(昭和45年11月8日)
『人間らしく』生きる
質的変化を迫られる
美術で〝人間づくり〟
先入感や雑念捨てる
(3)忘れてはならないもの『日本の中の朝鮮文化』第二十四号掲載(一九七四年)
第13章 人材の活用を中国古代英雄にみる
(1)呉(ご)王・夫差(ふさ)と越(えつ)王・勾践(こうせん)(春秋時代)
(2)秦の始皇帝
(3)前漢の劉邦(りゅうほう)と項羽(こうう)
第14章 究極の博物館の使命とそのための重要な学問
[著者プロフィール]
有鄰館設立者・藤井善助の長孫として生れ、幼少より中国文物に接し、若くして三代目の理事長兼館長に就任し、長期にわたり経営、学芸を担当し、公益認定に関しては申請にはじまるすべての実務を自らが行い、現在は公益財団法人藤井斉成会会長兼有鄰館名誉館長である。
四才より書道を始め、文人連盟の参与として、春は京都市美術館、秋は建仁寺で、二十年間に亘り文人展に書作品を出展している。個展としては平成十八年七月、京都ホテルオークラで三日間、藤森哲朗画伯の襖絵(ふすまえ)と自らの書の《二人展》には扁額等十点を、平成二十四年秋、有鄰館での「書作品展」では七十点を出展した。
龍谷大学で、平成九年より今日まで十七年間教鞭を執り、京都橘大学の実習指導や、京都造形芸術大学のスクーリングの出講を継続している。島津製作所では営業部長や支店長、島津メディカル・常務取締役を歴任した。
講演は、京都アスニーフォーラム、近江商人博物館、建仁寺の緑陰講座、大覚寺の書道と華道講座、立命館大学アート・リサーチセンター、京都市博物館連合会で四回の公開講座、長岡京市生涯学習講座、新潟で曾津八一記念祭講演、東京航空会館で宝石関係、大阪科学技術センターの企業講演、ホテルオークラでの二人展や竹茂楼では節句の話、中でも書道関係が最も多く、ブライトンホテルで京都書道連盟の講演等があった。
長楽館主催の「トーク・アンド・ミュージック」では、演奏と共に五回のトークと、村井吉兵衛展記念講演があり、館内での「祖先文化に想いを馳せる」をはじめ種々のテーマの講演を含めると、八百回を超える。
学術専門誌等への執筆は数多いがここ一、二年の執筆としては、『中国書画探訪』『美術フォーラム21』『典蔵古美術』『小さな雷』があり、テレビでは関西テレビ系の「上方古美術探訪」「骨董ちゃんねる」などに出演した。
専門は、中国美術史、書道史、博物館学、経営経済学で、自然科学にも精通し、マーケティングを説明した企業教育用の『ともに考え、話し合う販売管理ノート』を執筆した。橋本関雪記念財団の開設以来の理事である。
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