生きる力を育てる「授業つくり」 知的障害児の実践事例を中心として
(著) 田口則良
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―将来の「生きる力」を育てるために―
現在では多くの学校現場で試され、効果的方法が生みだされている「生きる力を育てる学習支援」の取り組みは、教師中心の指導や知識偏重の教育、行動主義教育が主流であった時代から、内発的動機づけや子ども中心の授業などの主題に対して地道に重ねてきた研究が土台となっている。
本書は、長年にわたり「子どもを中心に据えた教育」を研究してきた著者が、前著『生きる力を育てる学習支援』で展開した理論の具体的な実践として、「授業づくり」に焦点をあてて解説した作品である。
支援教育の原点に立ち返り、新たな発展を促す一書として、示唆に富む内容となっている。
[目次]
はしがき
第Ⅰ部 知的障害児に「生きる力」を育てる授業づくりの理論
1章 「生きる力」を育てる学習支援の意義
1 特別支援教育35年の自分史―最終講義―
2 「生きる力」とは
3 打算的な学習意欲とコントロールが効きにくい学習意欲
4 特別支援学級に多い教師中心型授業の実態
2章 学習支援を阻害する行動特性
1 学習活動でつまずきやすい行動特性
2 課題解決能力からみた行動特性
3 息が合う子ども理解の進め方
3章 一人ひとりの実態や特性に即した教育課程
1 教科・領域を合わせた指導形態
2 障害程度と年齢とを踏まえた教育内容の系統
3 発達課題の把握と効果的な指導法
4章 「生きる力」の育成を目指す授業スタイル
1 教師中心型と子ども中心型スタイルの学習意欲に及ぼす効果
2 実生活に結びつく個が生きる授業作り
3 個別指導、及びグループ指導の特徴を活かした授業スタイル
4 子ども自身が行う自己評価活動の導入
第Ⅱ部 知的障害児の授業づくりの実践事例
実践事例1 生活単元学習「あさみさんの入院」 ―小学校 特別支援学級―
実践事例2 生活単元学習 「森の病院」 ―特別支援学校 小学部―
実践事例3 生活単元「キャンプをしよう」 ―特別支援学校 中学部―
実践事例4 教材単元学習 国語「金のおの」 ―特別支援学校 小学部―
初出一覧
あとがき
筆者 略歴
[出版社からのコメント]
いかに生きるべきかという問題は、多くの人にとって答えを見出すことが難しい問いになっていますが、答えを持たない社会で子供たちが何を学ぶのか、また子供たちの教育の中に何を見出すのか、それを知ることは社会が向かうべき道すじの一つの可能性を示唆している様に思います。本書を通じて、教育をはじめ社会のあり方について考える機会を持っていただければ嬉しく思います。
[筆者略歴]
田口 則良(たぐち・のりよし)
1932年生まれ
現在、広島市佐伯区在住
学歴
宮崎大学学芸学部 修了 1955年
広島大学大学院 教育学研究科教育心理学専攻修士課程 入学 1961年
同課程 修了 1963年
広島大学大学院 教育学研究科教育心理学専攻博士課程 入学 1963年
同課程 退学 1964年
文学博士 学位取得 (広島大学) 1983年
職歴
宮崎県東臼杵郡南浦村立熊野江小学校 教諭 1952年
宮崎県小林市立東方小学校 教諭 1955年
東京都調布市立八雲台小学校 教諭 1956年
東京都調布市立調布第一小学校 教諭 1959年
同校 退職 1961年
広島大学 助手 教育学部 1964年
福岡教育大学 助教授 1969年
国立特別支援教育総合研究所 (精神薄弱教育研究部軽度精神薄弱教育研究室)室長 1972年
広島大学 教授 学校教育学部 1980年
広島大学 付属東雲小学校長 併任 1990年
広島大学 付属東雲小学校長 解任 1994年
広島大学 教授 学校教育学部 停年により退職 1995年
福山平成大学 経営学部 経営福祉学科 教授 1995年
福山平成大学 経営学部 経営福祉学科長 1998年
福山平成大学 福祉健康学部福祉学科長 兼 福祉健康学部長 2004年
福山平成大学長 2005年
福山平成大学長 退任 2017年
現在
中国・四国心理学会名誉会員
広島大学 名誉教授
福山平成大学 名誉学長
福山平成大学 名誉教授
瑞宝中綬章
以上
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