父はあえて戦犯となった――ラバウルで刑死した阿部一雄大尉と家族の肖像

(著) 阿部兵一

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[商品について]
―「子供たちに俺の裁判の真相を伝えてくれよ」そう言い残して父は刑場へ向かった―
昭和21年10月19日、39歳の父は、B級戦犯として部下の罪を一身に負いラバウルの地で刑死した。父の帰還を待ち望んでいた母は、戦後の混乱期の中で、戦犯の家族という重荷を負いながらも家族を守り抜いて48歳の生涯を閉じた。太平洋戦争末期に、自らのあずかり知らぬところで起きた豪州捕虜死亡事件に対して、敢えて戦犯という重い十字架を背負った父・阿部一雄と残された家族の生き様を、いま残された記録や証言から明らかにする。「もはや戦後ではない」とは決して言わせない、全ての日本人必読の慟哭の書。

[目次]
はじめに
第一部 父母の思い出
父の思い出
母の思い出
火災と再建
第二部 父の記録
角田房子『責任 ラバウルの将軍今村均』(抜粋)
松浦義教『ラバウル戦犯弁護人』(抜粋)
池 政栄『人生は走馬燈』(抜粋)
中沢 清『烈士の人々を偲ぶ』(『花吹』第十六号より)
中沢 清『今村大将の思い出』(『花吹』第三巻第五号より)
山田正三『生きる模索の灯り 第十二集』(抜粋)
資 料 編
① 内外通信社『新潟縣総覧』から
② 軍事郵便
③ 阿部兵次墓碑銘
④ 阿部家 家系
著者略歴

[担当からのコメント]
太平洋戦争は果たして本当に終わったといえるのか、本書を読んでいると改めてそう感じます。先の戦争を軍部が独走した愚かな戦争だったとして忘却の彼方へと追いやってしまう、そうした私たちの感性が戦争を引き起こすのではないのか、だとすれば何の総括もされていない太平洋戦争は、多くの日本人の罪を戦犯という形で背負った人々の痛みと共にまだ終わっていないのだ、本書を読み終えた今、そんな風に思うのです。

[著者略歴]
阿部 兵一(あべ・ひょういち)

昭和九年四月二十日、横越村(現新潟市江南区)駒込の農家の長男に生まれる
昭和二十九年三月、新潟県立新津高等学校亀田分校卒業
昭和五十年~五十一年、横越村立小杉小学校PTA会長
昭和五十三年~五十四年、横越中学校PTA会長
昭和五十四年~五十九年、横越村農業委員
昭和五十四年~五十七年、横越公民館小杉分館長
昭和五十五年四月~五十八年三月、青少年育成横越村民会議運営委員
昭和六十年~平成十六年、横越村文化財調査審議委員
昭和六十二年~平成十一年、横越村村会議員(横越町会議員)
平成十二年~十七年三月、横越公民館長
平成二十一年~二十九年、江南地区交通安全協会副会長

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