父に似てきぬーー山田宗夫第一歌集

(著) 山田宗夫

Amazon

作品詳細

[商品について]
―信州にこだまする、短歌の情景―
野良にきく夏の午報の「新世界」母に呼ばるるごとく親しも
道標のごとく花さく桐見えて権兵衛峠を木曽へくだりぬ
美術室の窯にて焼きし風鈴が夜の職員室をなぐさむ
面いよよ父に似てきぬ厠まで父に随ききて鏡にならぶ
父のなき秋のゆふぐれはや冷えて形見のセーターわれに小さし
(本書より)
信州の自然と子どもたちに囲まれ、目に留まる日常や生の轍を三十一文字に託して詠んだ526首を収めた人生の短歌集。

[目次]
Ⅰ 一九八八(昭和63)年~一九九九(平成11)年
蒼きアルプス
父のさびしさ
風の歌
獅子退治役
胸を反らして
ずんどうの独楽
しろがねの月
寒茜
朝の大玻璃
広場
岐れる辻に
をさなき恋
夏帽子
晩節きよく
Ⅱ 二〇〇〇(平成12)年~二〇一〇(平成22)年
雲とはたらく
少女らの脚
星雨ふる丘
少年僧
古語辞典
オレオレ
村の酒
花粉評定
アルプスの茜
機銃掃射
水の精、風の精
寒の市
奔流
顔近づけて
新年の護符
父に似てきぬ
ふくろふ啼けり
しろつめ草
瀬をわたる鹿
父の葬り
定年までを
上海老街
Ⅲ 二〇一一(平成23)年~二〇二二(令和4)年
職を退く
次郎
シエスタ
夕山なみ
夏の陽
杖のあゆみ
はつたり
桐の実
残年よろし
ご免くだされ
螺旋の秋
内緒話
ジョーカー
かなかな
二日とろろ
柊二のこゑ
雷鳥
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
言葉そのものではなく言葉の外にあるものが詩情となって景を結ぶ、短歌にはそんな独特の魅力があります。本書に収められた歌は、貴方の心にどのような情景を生み出すでしょうか。ぜひ手に取ってご覧いただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
山田 宗夫

1950年長野県生まれ。佛教大学大学院修士課程修了。長野県高校教諭を四〇年勤めた。
1987年コスモス短歌会入会。
2005年「桟橋」参加。
『ふるさとの文学─上伊那─』(東京法令出版)編集委員。

新刊情報

       

22世紀アート
オフィシャルコーポレートサイト

百折不撓