潮風だけが知っている:蝦夷と土久母―まつろわぬものたちの戦い
(著) 平野貴司
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[商品について]
―歴史の彼方から、まつろわぬ人々の叫びがよみがえる―
時は西暦二百年代末、聖徳太子が生まれる遥か三百年程前の、女王卑弥呼の後の時代。鹿島灘に面した温暖で肥沃な東国の里、香島で暮らす人々の平穏を破ったのは、西から東国に向けて攻め寄せる軍勢の知らせだった。抵抗する部族は殲滅し、糧秣として食糧を奪い、征服した部族の民を尖兵として駆り出しながら膨れ上がる東国侵攻軍の勢いに対し、和平の道はないことを知った綾糟(蝦夷の首領)は遂に戦いを決意する――。かつて蝦夷、土久母とよばれた「まつろわぬ人々」の運命を、時代に翻弄される人々の姿を通して描く、歴史物語。
[目次]
まえがき
主な登場人物
序章
蝦夷(えみし)の章
土久母(つちぐも)の章
終章
あとがき~作品の舞台を訪ねて
[出版社からのコメント]
関東や信州、東北などには、今でも大和王権に従うことを拒んだ人々の痕跡が、伝承や史跡など様々な形で残されています。人の仇をなす鬼や盗賊、ときに人間以外の存在として描かれることもある彼らは何を考え、どの様に生きたのか、本書の物語を通じて歴史の闇に埋もれたその声に耳を傾けていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
平野 貴司(ひらの・たかし)
一九三八年(昭和一三年)横浜市神奈川区生まれ。横浜市庁を経て、茨城県鹿島郡に移住後、利根川の土により、油滴天目制作、利根川焼を起こし、その傍ら、古代史を独学している。
横浜市西区在住
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