永遠の工房──偉大なる仏師・鞍作止利とその時代
(著) 山下輝幸
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ーその少年は家業を離れ、仏工への道を選んだー
飛鳥時代を代表する仏師・鞍作止利。聖徳太子ゆかりの寺院である法隆寺の釈迦三尊像を制作した人物としても知られる止利仏師だが、当時のことを明らかにする記録は少なく、彼の生い立ちや活動の実相には、未だ多くの謎が残されている。
本作は、そんな止利仏師がいかにして法隆寺の釈迦三尊像に先立つ法興寺(飛鳥寺)の金銅丈六釈迦三尊像(飛鳥大仏)を造るに至ったのか、また実際にはどのような工程と経過を経てそれは造られたのか、そして飛鳥前期の様式から白鳳様式への切り替わりはどのように行われたのか、という三つの疑問に迫ったロマン溢れる古代史小説である。
後に日本の仏像史に名を刻むこととなる10歳の少年がいま、その大きな一歩を踏み出す。
[目次]
まえがき
鞍作止利関係家系図
鞍作止利関係師弟関係図
飛鳥時代(6.7世紀)大王家・蘇我氏系図
六世紀前半の東アジア地図
第一章
一、梁から百済へ、そして倭国へ
二、工房造り
三、仏教公伝
四、疫病
第二章
五、仏工止利の誕生
六、丁未の変
七、仏法の隆盛
八、崇峻殺害
九、丈六釈迦三尊像の準備
十、法興寺完成
第三章
十一、厩戸王の死
十二、止利の死
十三、乙巳の変 飛鳥仏の終焉
あとがき
鞍作氏の出来事年表
[担当からのコメント]
時代を超え、今なお鑑賞者の心を不思議に惹きつける仏像。本作を読むと、それらの仏像に隠されたドラマが鮮やかに思い浮かび、尊い気持ちとともに強い親しみを覚えます。古都奈良への旅行を予定しているなど方は、本作を読み、その観光をより味わい深いものとしてみてはいかがでしょうか。
[著者略歴]
山下輝幸(やました・てるゆき)
1944年神戸市生まれ
1962年3月 大阪府立成城工業高等学校卒業
民間企業を経て地方公務員
この間1977年3月 近畿大学Ⅱ部理工学部電気工学科卒業
2010年9月 仏教大学通信過程文学部人文学科(仏教芸術コース)卒業
2013年9月 同大学院文学研究科仏教文化専攻終了 文学修士
雑誌『古代史の海』(77号(2014.9)以後各号)に下記を執筆
「百済観音の飛鳥時代」
「「白鳳期」についての一考察」
「飛鳥仏における「気」の表現についての一考察」
「止利仏師とその工房についての一考察」ほか
大阪府在住
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