民俗歌謡の精神風土──「遊び」と「祈り」の口承文芸と静岡の歌謡

(著) 石川純一郎

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[商品について]

―コミュニティーを生きた人々の息づかいが聞こえる―

静岡には農耕儀礼や生活に根ざした民俗歌謡が多く伝えられている。田植え前に水を張った田んぼの土を搔きまわしてきめ細かくなめらかにする代搔きの時にうたわれる「代搔き歌」、重労働の臼ひきを男女があい寄る遊びと交際の場にした「臼ひき歌」、男女が歌謡を唱和して舞踏するさまが神と精霊との掛け合いで精霊を屈服させる歌垣の遺風をしのばせる「ひよどり歌」など、民俗歌謡の基本をなす労作歌を中心に民俗文化としての生命力を失いつつある口承文芸を採録し考察した「歌と遊び」の民俗学。



[目次]

はじめに――口承文芸と音楽のコラボレーション――

第一章 労作歌

一 田 歌

二 麦つき歌

三 臼ひき歌

四 茶  歌

五 地つき歌

六 船おろし・盤木おろしの歌

第二章 祝い歌

一 嫁入り歌

二 若い衆座敷の歌

三 えんころ節

四 棟梁送り歌

五 渡座の歌

六 土肥大漁節

七 棒木歌(遠江船歌)

第三章 祭り歌

一 お太鼓祭り歌

二 大太鼓祭り歌

三 鹿島踊り歌

四 御船歌

第四章 遊び歌

一 駿河舞歌

二 田遊び歌

三 ひよどり歌

四 盆踊り歌

第五章 子守り歌

一 遊ばせ歌

二 寝かせ歌

三 守り子の述懐の歌

第六章 わらべ歌

一 遊戯歌

二 歳時歌・口遊び歌

静岡県の風土と民俗歌謡

あとがき

本書関係著者執筆文献等

著者略歴



[担当からのコメント]

今と違って生きることは労働そのものであったともいえる昔の暮らしの中で、人々の知恵や工夫が地域の文化と共に形になったものの一つが、民俗歌謡なのではないかと思います。皆さんの地域には、どんな民俗歌謡があるでしょうか。本書が豊かな民俗歌謡の世界へと誘う一書となれば嬉しく思います。



[著者略歴]

石川純一郎(いしかわ・じゅんいちろう)



1972年國學院大學大学院日本文学研究科博士課程満期修了。現在、常葉学園短期大学名誉教授、静岡県文化財保存協会常任理事、公益信託 JA・静岡県信連民俗芸能振興基金運営委員。静岡県文化財保護審議会委員、国立民族学博物館研究協力者、日本民俗学会評議員・理事を歴任。著書「河童の世界」「地蔵の世界」(以上時事通信社)、「天竜川―その風土と文化」(静岡新聞社)、「会津の狩りの民俗」(歴史春秋社)。

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