歴史から読み解く日本人と鹿
(著) 丹治藤治
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「日本は変化に富む地勢に恵まれ、景観豊かな山里が存在し、山林野原にはシカを含む多様な生物が生息している。二ホンジカは貴重な日本在来の資源の一つであり、古代から産物利用や信仰の対象となって、日本人の心・技・匠を洗練させてきた歴史がある。」(本文より)
40年前から始まった日中畜産技術交流のなかで、中国に学びながら日本における養鹿(鹿の飼育)の道を拓いてきた獣医師・丹治藤治氏。その氏が、〈狩り〉と〈祈り〉の対象であり、国造りや暮らしにとって貴重な資源であった日本の鹿について熱く書き綴った書。
日本の鹿文化のルーツと資源利用の歴史をたどり、未来に向けて鹿と人間の共存に基づいた地域興しの可能性を語る。
鹿の文化や歴史、資源利用に関心を持つ方々だけでなく、農山村の地域興しに前向きに取り組む若者たちにもぜひ読んでほしい一冊!
【目次】
はじめに
第一章 祖先の足跡から見る「国造り」考——古代王朝で活躍した多治比氏
国政から地方へ
外交官第一号
蝦夷征伐の将軍
則天武后からパンダを賜る
第二章 世界で活路を拓く「海外雄飛」今昔——遣隋・遣唐使の時代から平成へ
日本人の海外派遣事始め
遣唐使と多治比氏の深い関わり
明治以後の“海外戦士”列伝
第三章 「ふるさと村興し」の挑戦——地方の時代を先取り
ふるさと交流会の元祖「木幡雑草会」
木幡雑草会の発展的改称「東和町雑草会」
活動を広げる「東奥達心会」
地域史発掘でふるさと再発見
第四章 「シカ資源利用」が日本を救う——シカの真価を今こそ見直そう
シカとの出合い
日本人にとってシカとは?
日本史上の鹿文化
日本鹿皮革開発協議会の活動実績について
「鹿笛」をめぐる民俗誌
シカに関する現代の課題
シカで日本を元気に!
おわりに
【著者プロフィール】
丹治 藤治(たんじ・とうじ)
株式会社カルタン代表取締役。昭和5(1930)年、福島県生まれ。昭和25(1950)年、日本大学獣医学部卒業(資格:獣医師)。昭和27(1952)年、日本大学法学部卒業。協同薬品株式会社、クミアイ化学工業株式会社を経て、株式会社畜産資材研究所を設立。のちに株式会社カルタンに社名変更し、現在に至る。
その間、クミアイ家畜薬研究会、養豚技術研究会、木幡雑草会(日本最初のふるさと興し活動)を創設。社団法人日本中国農林水産交流協会監事・専務理事、全日本養鹿協会創設専務理事・会長、日本鹿皮革開発協議会創設会長、日本鹿皮革文化を考える会発起人。
畜産・養鹿の実績として、代用乳「ミルクパワー」開発、中国から梅山豚、金華豚を導入、シカ幼角酒(リキュール類)開発、麝香鹿調査交流と技術協力協定書に調印、日本鹿革エコレザー認定品鹿瑠丹印伝製品開発・登録など多数。
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