樹木の沈黙

(著) 石井宏紀

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作品詳細

[商品について]
―その言葉から、命の音が聞こえる―
あなたが去った後の、/静けさに呼応できないでいる。/もっと喧噪の渦巻の中に、/埋没したかった。/そして本当は、/あなたに思い切り嫌われたかった。(「嘘」より)
この命に、激しい風雨は容赦なく吹き付ける。しかしそれでも、残されたわたしは生きていく。あなたのために、わたしのために。ーー静かなる風景の中に潜む生の衝動を、鮮烈なタッチで書き綴った決死の詩集。

[目次]
樹木の沈黙
樹洞
鉄工場の板塀

波止場
シャボン玉
霧雨
空不異色(無いものも見える在るものとして)
忘れない顔忘れた顔そして覚えている貌
遠く電話のベル

待っている
バスを待つベンチ
遠いところで半鐘が鳴っていた
Tシャツ
スターダスト
碧空へ
夜は
裂け目
雨烟

時をこえて
尋ねるのは
発見
法螺貝
雷鳴と雷光と
裏通り
冬枯れ
雪消月半ば
気韻
溶けきらないココアのだま
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
決して長々とそのシーンや心情を描いているわけではないにもかかわらず、作り手の感情や見ている風景が読者の胸に迫ってくる。詩や日本語に眠る、そんな不思議な力を体現したような詩集です。普段、あまりじっくりと自分の感情に向き合う時間がないという方にこそ、おすすめしたい1冊となっています。

[著者略歴]
石井 宏紀(いしい・こうき)
昭和15(1940)年
山梨県北都留郡上野原町上野原字向風に生まれる(現 上野原町上野原)

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