権力と愛の歌物語―日の御子の誕生・新羅遠征・衣通姫―
(著) 畠山篤
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―歌物語に刻まれた古代の精神世界が甦る―
「記紀」「万葉集」「風土記」「古今集」などの文学には、大和王権にまつわる多くの歌が収められている。本書では、その中から権力と愛を主題にした代表的な歌・歌物語を取り上げ、それらが儀礼や饗宴の場で生成・復演されながら洗練されていく様子を「日の御子」と新嘗祭との関わりや新羅遠征の際の軍旅祈願の歌、悲恋の物語である衣通姫伝承などを通じて見ていく。文学と歴史の両輪が古代史に鮮やかな彩をあたえる示唆に富む論考。
[目次]
本書のねらい
一章 日の御子の誕生―鎮魂祭と新嘗祭―
二章 もう一つの「日の御子」の誕生―二皇子発見譚の生成―
三章 新羅への軍旅祈願―〈大和三山の歌〉から〈熟田津の歌〉へ―
四章 恋のオーラを放つ悲恋の姫たち―二つの「衣通姫の流」―
テキスト・引用文献・参照文献
和歌・歌謡索引
著者略歴
[担当からのコメント]
和歌というと貴族の文学というイメージを持たれる方も多いと思いますが、もともとは祈り、寿ぎ、鎮めるための政治的・宗教的な装置という側面も持っていました。そんな和歌の側面をお楽しみいただける本書、ぜひご一読ください。
[著者略歴]
畠山 篤(はたけやま・あつし)
1946年、秋田県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程満期修了。現在、弘前学院大学大学院文学研究科教授。博士(民俗学)(國學院大學)。
著書に、『沖縄の祭祀伝承の研究―儀礼・神歌・語り―』[2006・瑞木書房・日本学術振興会平成17年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)交付]、『能舞〈鐘巻〉の復原』[2015・弘前学院出版会]、『万葉の紫と榛の発想―恋衣の系譜―』[2020・アーツアンドクラフツ」、『山人・海人伝承と河内王朝─枯野琴と国栖奏に見る祭祀・服属と記紀の論理―』[2021・22世紀アート]、『岩木山の神と鬼─津軽の民俗世界を探求する─』[2022・22世紀アート]など。
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