植物をもっと楽しみたい人のための「学名」学――リンネの「二名法」と日本植物研究の泰斗たち
(著) 田中學
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[商品について]
――スウェーデンの博物学者リンネは、神の「〇〇調べ」のつもりで生物の分類を始めました。この〇〇に入るのは次のどれでしょうか。
1.能力、2.財産、3.存在
正解は、本書第1章の「3.植物分類学の祖:リンネ」をご覧ください。
豊かな自然環境の中で多様な野生植物が生育する日本。古くから日本産の植物は世界各国の第一級の植物学者にも注目され、これまでも近代植物学勃興のもとで精力的に研究・発表が行われてきた。しかし、そうした活動の成果である植物の学名については、学名を規定する「命名規約」の複雑さと相まって、意味が分かりづらいものも少なくない。本書は、関心はあっても敬遠しがちなこの「植物の学名」について、スウェーデン人の博物学者カール・フォン・リンネが提唱・実践した「二名法」という学名記載の実例を取り上げながら、ツュンベルクやシーボルト、牧野富太郎らが日本産野生植物の研究に残した足跡をたどり、植物の学名を多角的に読み解こうとする作品である。植物と楽しく関わり、植物と一層親しくなるための一書として、多くの方にお勧めしたい内容となっている。
[目次]
はじめに
第1章 学名とその表記について.
第2章 植物の学名
第3章 属名と種小名
第4章 学名に名を残す日本植物研究の先駆者達(1)
第5章 学名に名を残す日本植物研究の先駆者達(2)
第6章 学名名残于日本人植物研究者達
第7章 日本植物:学名あれこれ
第8章 日本植物:学名探訪(263種)
―植物の特徴を示す属名・種小名
●コラム
リンネが命名した属名
女性名詞扱いの属
ラテン語・ギリシャ語対照語集
中国原産植物と日本
植物学名の由来比率
植物用語集:顕花植物の外形1
動物・植物に同じ属名
語尾変化しない種小名
命名規約外の用例
属名と種小名の両方に「日本」が入る学名
植物用語集:顕花植物の外形2
植物学名に関する参考文献
あとがき
本書に学名を記載した 種和名 索引
CD-ROM版「日本産野生植物:植物学名一覧」のご案内
[出版社からのコメント]
言葉を操る人間は、対象に名前を付けることで、その対象をより明確に認識することができますが、名前の意味を知ることで、その対象をより深くより身近に感じることができるのではないかと思います。本書を通じて多くの方が、人間を含めた私たちが生きる生態系への理解を深めていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
田中 學(たなか・まなぶ)
1936年
東京都大田区に生まれる.
1957年~1961年
青山学院大學第二部文学部英米文学科に学ぶ.
1961年~2002年
東京都公立中学校(4年)・同高等学校(37年)に勤務(英語科教諭).
2002年3月
東京都立井草高等学校紀要vol.35論文「齋藤秀三郎著『齋藤和英大辞典」を読み解く資料」
(『齋藤和英大辞典』の例文を分野別に再構築したCD-ROM版を併せて作成)
青年期から国内各地で自然に親しみ、特に野生植物へ関心を寄せ,植物観察を楽しみながら日本列島の植生調査を継続しています。
フィールド図鑑植物5奥田重俊・木原浩『高山植物AlpinePlantsofJapan』(1987,東海大学出版会)に東北地方で撮影した写真21点を掲載
☆このフィールド写真図鑑(植物1~5)の各分冊はハンディな版でありますが,掲載しているすべての種に,学名(科名・属名・種小名・命名者名)が付記されていて、重宝しています.
「植物学名」に関する各学習講座で講師を務める(2012年3月現在)
2007年2月~3月
東京都東久留米市:市民大学短期講座
(3回講座, 引き続き2008年3月, 2009年7月, 2010年7月, 2011年6月)
2007年5月, 2009年1月
東京都西東京市:東京雑学大学
2008年10月~
東京都府中市:たま市民塾
(6回講座, 引き続き2011年10月~2012年3月10回講座〉)
2008年10月,2010年11月
東京都千代田区:日本ハーブ・スクール
2009年8月
埼玉県朝霞市:環境市民会議自然部会
2010年5月
神奈川県相模原市:市立博物館相模原植物誌調査会
2010年11月
NPO法人山と自然学:野外植物(学名)観察会他,各種植物
学名学習会講座を担当
2008年10月~
東久留米市:「植物の学名を知って,植物に親しむ会」の学習会を主宰している(20回,隔月)
2008年7月
本書が『2008年度第11回日本自費出版文化賞:研究・評論部門」に入選
◎「植物学名」に関する各学習講座で講師を務める(2021年6月現在)
2007年2月~3月(3回講座)
東京都東久留米市:市民大学短期講座
(引続き2008.3, 2009.7, 2010.7, 2011.6, 2012.6, 2013.6, 2014.6)計連続8回
2007年5月(各1回講座)(本部)
東京都西東京市:東京雑学大学②2009年1月,③2014年2月,④2017年2月,⑤2020年→2021年6月コロナウイルス蔓延のため1年延期計5回
2008年10月(6回講座)(本部)
東京都府中市:たま市民塾、(引続き2011年10月~2012年3月(10回講座)、2014年4月~9月(月2回の12回講座)) 計3回2014年11月たま市民塾20周年にあたり、「植物学名講座」により功績多々あったと講師として表彰された
以上は、定期連続講座である。
以下、単発講座:
日本ハーブ・スクール計2回、埼玉県朝霞市:環境市民会議自然部会(理研)、神奈川県相模原市立博物館相模原植物誌調査会、NPO法人山と自然学:野外植物(学名)観察会、東京薬科大学(薬草園)主催:ホオノキ会、森林インストラクター東京会研修会、主宰:ホオノキ会上毛高原研修会、川崎市民アカデミー「みどり学講座」、奥田重俊先生主宰:フロラ研究会の年末室内研究会、京都府立植物園主催、関西園芸同友会企画・協力の植物学名研修会、園芸同友会主催:冬のセミナー2015、(NPO法人:環境再生)薪ストーヴを囲む講演と懇親の夕べ、HORTUS一植物と文化を考える会、東京都小金井市:小金井雑学大学講座、東京都西東京市:自然を見つめる会、埼玉県越谷市:アリタキ植物園、群馬県赤城自然園:植物学名講座、東久米市:東久留米の名木百選”の樹木名プレート新設置にあたり学名表記の監修を行う、東京都神代植物公園(ヴォランティア・ガイド対象)、直近は、東京雑学大学講座:演題...APG分類体系による新植物分類について)
以下、自主講座:
東久留米市:「植物の学名を知って,植物に親しむ会」(Aucuba会)32回、次に新たに東久留米市:「植物学名懇話会」と自主グループ「Ranzania会」をスタートさせている。
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