東海道史話 第2集(五十三次紀行「江尻~吉田」)
(著) 秋庭隆
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―道のあるところに歴史が生まれる。その道を歩く愉しみ―
東海道を日本橋から京都まで歩いた著者による東海道歴史紀行第2弾登場。今回ご案内するのは、清水湊と共に発展した宿場町・江尻から広重の絵にも描かれた城で有名な吉田まで。所縁の人物や食べ物、その土地に花開いた文化など、歴史散策を楽しみながら東海道をめぐります。第1集と併せ東海道の旅の魅力をお楽しみください。
[目次]
(二九)江尻2 清水湊と共に発展した宿場町江尻の運命 巴川を挟んで対峙した二つの湊町
(三〇)府中1 文武に秀でた駿府の雄今川氏 駿河国を領した今川氏の栄枯盛衰
(三一)府中2 駿府の繁栄を築いた家康大御所時代 全国の大名が膝を屈した統治の中心地
(三二)府中3 江戸のベストセラー作家十返舎一九 府中が私の誕生の地なのですが…
(三三)手越 朝敵となって争った手越河原の戦いから 尊氏・直義の足利兄弟と新田義貞の因縁
(三四)丸子1 名物とろろ汁で一休み 梅若菜丸子の宿のとろろ汁 はせを
(三五)丸子2 貴人が越えた宇津の山路 在原業平が『伊勢物語』で語った吾妻下り
(三六)岡部 足を引き留められた幸運 若宮八幡祭礼の「神転ばし」に遭遇して
(三七)藤枝 瀬戸の染飯の故郷に残るものは… 蓮生寺の史伝などから
(三八)島田 越すに越されぬ大井川の歴史を辿る 渡す人も、渡される人も共に苦労の大井川
(三九)金谷1 牧之原開墾の苦闘から 茶園に賭けた士族と川越人足の必死の願い
(四〇)金谷2 諏訪原城址に歴史を刻む茶所で… 戦国時代の攻防の舞台転じて
(四一)菊川 菊水を汲んでも、延命は叶はず 鎌倉への途次に詠んだ菊川宿での辞世
(四二)日坂 夜啼き石の不思議な伝説とその運命 怪奇譚から、商魂に操られて…
(四三)掛川1 今川氏の防衛拠点の役を果たした掛川城 朝比奈家代々の忠勤と山内一豊の出世美談
(四四)掛川2 東国の独立を目論んだ謀反将門の勢い 十九首町に残る将門伝説とその伝播
(四五)袋井1 信仰心の盛んな遠州の中心地に立つと… 秋葉山と遠州三山可睡斎などを巡って
(四六)袋井2 日蓮とその父貫井重忠の故地妙日寺 遠祖井伊氏に連綿と繋がる血筋の中で
(四七)袋井3 日本一メロンの本場になる秘訣とは… 海道に誇る甘い味覚の裏で
(四八)見附1 国府の置かれた東国交通の拠点 東海道往来が規制された理由とその歴史
(四九)見附2 源平武者の悲恋を秘めた里にて 平宗盛と源範頼の悲劇の原点とは…
(五〇)天竜川 大天竜の治水と金原明善の苦心 全財産を献納・治山治水を果たした男
(五一)浜松1 東海道の要衝浜松発展の機縁 浜松に花開いた国学の祖賀茂真淵の生涯
(五二)浜松2 家康が一敗地にまみれた浜松の合戦とは… 浜松城天主閣から三方原の合戦場を眺める
(五三)舞坂 浜名湖の東岸で旅人を見つづけた今切の渡し のんびり船旅、でも女性には嫌われて…
(五四)新居 通関を阻まれた井上通女の嘆き 『東海紀行』『帰家日記』に見る関所通過の厳しさ
(五五)白須賀 富士の霊峰と遠州灘を望見する潮見坂 三河国を目前に、遠江国最後の宿場から
(五六)二川1 岩屋観音の慈愛が見下ろす小さな宿場 遠江から三河へ、国堺の境川を越えて
(五七)二川2 近代化の根源となった二川宿の生糸生産 小淵志ちと玉糸生産に捧げた女工の青春
(五八)豊川 渥美半島を蘇らせた豊川用水路と環境問題 大灌漑工事による豊かな自然の功罪
(五九)吉田1 吉田城争奪戦から軍都への変貌は… 今橋城を築いた牧野古白の悲劇から
(六〇)吉田2 文化都市豊橋の盛んな三大祭り 鬼祭り・祇園祭り・そして御衣祭り
あとがき
[著者紹介]
[担当からのコメント]
今川義元や北条時行、山内一豊など、本書を読んでいると歴史の教科書で目にした記憶のある人々がたくさん登場します。東海道を描いた昔の絵を見ていると、まったく同じではないにしても今を連想させる風景がそこにあります。歴史の中の人物と同じ風景を歩く、そんな東海道の旅が詰まった一書です。ぜひご一読ください。
[著者紹介]
秋庭 隆(あきば・たかし)
1936年東京生まれ。59年早稲田大学文学部英文科卒業。小学館に入社後、学習雑誌、『週刊女性セブン』などの編集を経て、65年百科事典の編集に就く。以後、97年に定年退職するまで、小学館の『ジャポニカ』をはじめ、ほとんどの百科事典の編集を手掛ける。『園芸植物大事典』(塚本洋太郎編)の他各種書籍も担当した。
現在、「東海道ネットワークの会」理事。『東海道史話』第一・二集についで、現在第三集(京都まで)を執筆中。
現住所・藤沢市西富
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