昭和・トラの海
(著) 小野三蔵
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―北の大地で、心の火は幾度となく燃え上がる―
子供に恵まれない寅吉とウメ夫婦の養子にと生まれて間もなくもらわれた女の子は、トラと名付けられ大切に育てられた。しかしそんな寅吉夫妻とトラのもとにも、戦争という時代の波は静かに押し寄せていた。海軍士官への淡い恋心を秘めながらも寅吉の決めた相手と夫婦となったトラは、やがて出産、敗戦、そして夫の死と数々の困難を乗り越えながら、漁場の女将として懸命に生きていくーー苫小牧の地を舞台に、ひとりの女性の激動の人生を昭和という時代とともに描いた女一代記。
[目次]
トラ誕生
血のつながり
尋常小学校
女学生
結 婚
若過ぎた母
戦は終わった
寅次郎
北洋へ
浜町御殿
親方小方
大漁もいつか
再び夫が
寅吉燃ゆ
トラ一人で歩け
婆ちゃん理事長
青春再び
著者略歴
[担当からのコメント]
昭和は遠くなって生き方も随分と変わりましたが、今を懸命に生きる人々の姿はいつの時代も変わらないのではないかと思います。本書の中にも、そんな人生が詰め込まれています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
小野 三蔵(おの さんぞう)
昭和5年山形県生まれ
苫小牧市新富町
出版著書
黒い土(昭和60年)
オコタンペの夜(平成元年)
浜町物語り 上(平成7年)
浜町物語り 下(平成9年)
杉 ロ マ ン(平成12年)
未必の故意(平成12年)
斑が吼える(平成15年)
晩節の罠(平成22年)
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