日本文学八景ーー旅すれば、文学に出会える
(著) 村上林造
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―文学は、旅によって解放される―
子規の魔力に魅せられて、春の長閑な空気に峻烈なその生涯の足跡をたどった松山の旅。夏も終わりに近づいた8月に、むせるような死の情念と共に端正な鴎外の名作をめぐり歩いた熊本の旅。井伏鱒二の代表作に導かれ、原爆という惨禍と傷痕を残しながらも変わりゆく被爆地の夏を巡った広島の旅。ーー20年にわたり文学の作品世界を旅してきた著者が、作品ゆかりの地に身をおく中で広がる心象風景を思いのままに書き綴った文学と旅を堪能する紀行エッセイ、待望の電子化。
[目次]
1 近代の夢に生きる
子規随筆――愛媛県松山市
2 明治期農村の地主
長塚節『土』――茨城県結城郡石下町
3 武士の意地と情念
森鴎外『阿部一族』――熊本県熊本市
4 歴史の激流の中で
島崎藤村『夜明け前』――長野県木曾馬籠・妻籠
5 昭和転換期の農民
山田多賀市『耕土』――山梨県北巨摩郡双葉町
6 ヒロシマの「自然」
井伏鱒二『黒い雨』――広島県広島市
7 天に抗って生きる
司馬遷「鴻門之会」・中島敦『李陵』――中国西安市近郊
8 芸術における自然
野上弥生子『秀吉と利休』――大阪府堺市・京都府京都市
あとがき
[初出一覧]
著者略歴
[担当からのコメント]
本書を読んでいると、いま巷でよく聴く「聖地巡礼」を文学でやったらきっとこんな風になるに違いないとふと思います。旅の風景に文学が溶け合い、文学の風景に旅の心象が溶け合う、そんな体験をぜひ本書とともに楽しんでいただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
村上林造(むらかみ・りんぞう)
1952年 大阪府に生まれる
1975年 同志社大学文学部卒業
1975年~神戸市立中学校、後兵庫県立高等学校に勤務
1987年 兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了
現在 山口大学教育学部教授
著書 『土の文学【長塚節・芥川龍之介】』(1997年10月 翰林書房)
『高校生のいる風景―行事・授業・読書会』(2007年5月 菁柿堂)他
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