数奇の革命―利休と織部の死
(著) 児島孝
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―茶の湯、その革命的な思想とは―
天正19年に京都・葭屋町の利休屋敷で自刃した千利休、その20年余のちに師の利休と同じく自刃して果てた古田織部。ともに茶の湯の宗匠と呼ばれたふたりの死は、単なる偶然の重なりだったのだろうか。利休と織部がともに目指し、追求しようとしていたものとは何だったのか――日本の伝統文化という憶見に塗り固められた茶の湯の中から桃山時代の茶の湯、数奇の茶の真の姿をあぶり出し、その本質を読み解くこれまでにない視点の日本文化論。
第5回紫式部市民文化賞作。
[目次]
プロローグ
Ⅰ 数奇(すき)と風狂のはざまで
Ⅱ 時の流れ
Ⅲ 数奇が走る
Ⅳ 禅のくびきを脱して
Ⅴ 数奇の鎧(よろい)
Ⅵ 数奇の落日
参考文献
あとがき
市販本の出版にあたって
付 利休は、なぜ切腹に追いこまれたのか?
著者略歴
[担当からのコメント]
千利休や茶の湯というと「わびさび」の世界をイメージされる方も多いでしょう。その日本的で独特な感性にはどこか静かな印象がありますが、原初の茶の湯の姿は私たちがイメージするものとは全く異なっていたことを、本書は読み解いていきます。石膏で固められ陳列された歴史ではなく、脈動し生きていた歴史に眼差しを向けなければ、私たちは歴史から学ぶということはできないのかも知れません。利休や織部、そして茶の湯の歴史を通じて新たな視座で日本の文化や社会を理解する、その一助として本書を多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
児島 孝(こじま・たかし)
1935年京都市生まれ。1958年、同志社大学経済学部卒業。
新聞記者を経て、1963年からフリーライター。主に社史の編集・執筆にあたる。
1995年『数奇と呼ぶ日本の文化革命──利休、織部の死の裏にひそむ意外な史実』で宇治市主催の紫式部市民文化賞
1997年『利休はなぜ切腹に追い込まれたか』(久田宗也監修・西村豁通編『京のかくれ話』所収、同朋舎出版)
2004年『近代日本画、産声のとき──岡倉天心と横山大観、菱田春草』(思文閣出版)
2006年 上記受賞作を『数奇の革命──利休と織部の死』と改題して刊行(思文閣出版)
2019年『近代日本画、産声のとき 天心、大観、春草の挑戦』電子書籍化(22世紀アート)、AMAZONで販売
2020年『花の心 花の姿』電子書籍化(22世紀アート)、AMAZONで販売
2020年『数奇の革命──利休と織部の死』電子書籍化(22世紀アート)、AMAZONで販売
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