教師と親のための学校カウンセリング入門――子供の健全な発達を促すための技法を学ぶ
(著) 橋元慶男
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[商品について]
―カウンセリングは、「心の教育」を実践するための現代の必須スキルである―
年齢や性別を問わず、人が人生の発達上のハードルを越えなければならないときに、遭遇する問題の自己解決に、建設的な対象が可能なように支援する行為であるカウンセリング。いま、いじめや不登校、学級崩壊、暴力など深刻な問題が生じている学校現場において、心理臨床的な活動としてカウンセリングを活用する教育臨床への関心が高まっている。本書は、こうした成長を援助する教育活動の中で、すべての教師がカウンセリング・マインドを身につけ、カウンセラー役をこなすために必要なスキルを身につけるために必要なカウンセリングの理論と技法を、分かりやすく解説した入門書である。教職に携わっている方はもちろん、これから教職を目指す方や対人援助にかかわる方にとっても有用な一書。
[目次]
基礎編
第1章 教育臨床活動と学校カウンセリング
1.教育臨床とは
(1)カウンセリングの必要性
(2)教師のためのカウンセリング研修
2.学校カウンセリングとはなにか
(1)カウンセリングではないもの
(2)カウンセリングの定義
(3)カウンセリング的な立場
(4)教育とカウンセリングの視点
(5)カウンセリング的対応での効果
第2章 個人ライフサイクルにおける発達と障害
1.成長・発達の理解と教育
(1)主な発達理論
(2)発達段階
2.発達の諸相
(1)誕 生
(2)乳児期
(3)幼児期
(4)児童期
(5)青年期
(6)成人期以後
3.各種障害の理解のために
(1)発達障害
(2)知的障害
(3)情緒障害
(4)精神障害
(5)身体障害
第3章 学校カウンセリングの基礎知識
1.カウンセリングの基礎理論
(1)クライエント中心療法
(2)構成的エンカウンター
(3)精神分析療法
(4)交流分析
(5)行動療法
(6)論理療法
(7)認知療法
(8)学習理論
(9)認知行動療法
(10)家族療法
(11)ユングの理論
(12)ブリーフ・セラピー
(13)ゲシュタルト療法
(14)SAT式ヘルスカウンセリング
2.子どもの心理療法
(1)子ども分析
(2)遊戯療法
(3)心理劇
(4)Tグループ
(5)その他の療法
実践編
第4章 カウンセリングの基本技法
1.カウンセリングの基本姿勢
(1)4つの基本姿勢
(2)積極的傾聴法
(3)カウンセリングにおける禁句
(4)カウンセリングの3つの条件
(5)カウンセリングの構造化
(6)2種類のカウンセリング
(7)クライエントの心理
(8)カウンセリング・マインド
(9)カウンセリングのゴール
2.カウンセリングの技法
(1)質問技法
(2)効果的な沈黙
(3)ペース合わせ
(4)ブロッキング
(5)転移と明確化
(6)共感的繰り返しの効果と悪影響
(7)まとめ
第5章 演習で学ぶ学校カウンセリング
1.ミニ・カウンセリング初歩技法
2.ミニ・カウンセリング技法の実際
(1)対話演習
(2)対話分析
3.カウンセリングの展開
(1)カウンセリング場面の流れ
(2)感情の意味を探る
(3)心の本質的欲求
(4)具体的な展開技法
4.隠れた本音の理解
(1)意思逆転の法則
(2)癒しの技法
(3)成長阻止の矛盾感情
5.心の各領域とカウンセリングの深化
(1)心理パターン
(2)自己開示とは
応用編
第6章 援助の人間関係
1.援助的コミュニケーション
(1)コミュニケーションの3要因
(2)言語的・非言語的コミュニケーション
(3)人間理解の親密化
(4)病理的人間関係
(5)人間関係と距離
(6)いじめと虐待
(7)いじめの背景
(8)引きこもり
2.言語的・非言語的コミュニケーション
(1)カウンセリングの考え方
(2)アイコンタクトとうなずき
(3)繰り返し
(4)座り方
(5)表情の読み取り方
(6)カウンセリングの終結
第7章 メンタルヘルスと学校カウンセリング
1.学校の病理現象
(1)学校ストレスの構造
(2)ストレスとストレス反応
2.児童・生徒を取り巻くストレッサー
(1)不登校とストレス
(2)家庭におけるストレス
3.ストレスマネジメント探索
(1)心理測定と診断
(2)ストレス評価
(3)ストレス要因
(4)ストレスマネジメント教育
(5)授業へのストレスマネジメント教育の導入
4.児童・生徒,教師のメンタルヘルス
(1)ゆとりとストレス
(2)ストレスと児童・生徒の問題行動
(3)高校生のストレス
(4)教師のストレス
第8章 リラクゼーションと学校カウンセリング
1.リラクゼーション技法とは
2.漸進的リラクゼーション
(1)筋弛緩法の原理
(2)筋弛緩法を練習するこつ
(3)筋弛緩法の姿勢
3.丹田呼吸法
丹田呼吸法とは
4.自律訓練法
(1)自律訓練の効果
(2)準 備
(3)標準練習
*おわりに
[担当からのコメント]
本書は、主に教育に携わる方に向けて書かれていますが、対人コミュニケーションやストレス・マネジメントなど、学校だけでなく企業等で働く社会人の方々にとっても参考にしていただける内容となっています。職場指導の場面などでも、ぜひ本書の知見をご活用いただければ嬉しく思います。
【著者のプロフィール】
橋元(はしもと) 慶男(けいお)
1939年鹿児島県生まれ
愛知産業大学/愛知産業短期大学 教授・三重大学客員教授
クレイトン大学大学院客員教授
鳴門教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了
クレイトン大学大学院博士後期課程修了(Ph・D,心理学博士)
臨床心理士・社会福祉士・学校心理士・精神保健福祉士
〔所属学会〕
日本教育催眠学会理事・日本笑い学会中部地区理事
日本教育心理学会,日本カウンセリング学会,日本交流分析学会,
日本ヘルスカウンセリング学会,日本学校相談学会,日本ストレス学会,
日本健康心理学会,日本自律訓練学会,日本応用心理学会等
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