[改訂版]わが同時代人の歴史3・4──トゥルゲーネフと並ぶ名文家コロレンコ不朽の自伝:舞台はヨーロッパ・ロシヤ(第3巻)シベリア(第4巻[未完]):革命運動の挫折の悲喜、喜劇を描く
(著) ヴラジーミル・ガラクチオーノヴィチ・コロレンコ
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[商品について]
―作家が死の直前まで書き続けた、ナロードニキ群像―
本書は、逮捕・収監され、ヨーロッパ・ロシヤ、さらにシベリアへと追放の日々を送った時期のコロレンコの回想録であるが、同時に、いわゆるナロードニキと呼ばれる、若きロシヤの革命家たちの運動の挫折の記録でもある。コロレンコは実体験を経て、その運動から離れ、自らの使命としての作家の道に目覚める。その意味で、第四巻の十八章「ヤムマラフ崖で」は本書のクライマックスといえよう。
[目次]
訳者まえがき
凡 例
第3巻
第一部 森の奥
第二部 ヴィシネヴォロツカヤ政治監獄
第三部 ペルミで
第四部 ヤクート州への途上
第五部 イルクーツク監獄
第4巻
第一部 ヤクート州
一 レナを行く
二 わがレナの夢想
三 デカブリストの教え子。――エヴゲーニヤ・アレクサンドロヴナ
四 恋いこがれている仕立屋。――ヤクーツク到着
五 ヤクート州知事チェルニャーエフ
六 最後の移動
七 当地で
八 アムガ村とその住民
九 アムガの文化層
十 私のひとり住まい
十一 ウルス住まいの人々
十二 パーヴロフの悲劇
十三 ピョートル・ダヴイードヴィチ・バーロト
十四 (チゥラプチャーの政治流刑者仲間)
十五 イヴァン・ロッギーノヴィチ・リニョーフの遍歴談
十六 農作業
十七 草刈り
十八 ヤムマラフ崖で
十九 ヤクート人の詩歌――「ウィセフ」で
二十 マルク・アンドレーヴィチ・ナタンソン夫妻
二十一 ヤクート行政府の慣行
二十二 私のヤクーツク行き。――ポーランド人作家シマンスキ
二十三 不穏な検事のとんだ行動
二十四 エリザベータ・ニコラーエヴナ・ユジャコーヴァの悲劇
二十五 ネチャーエフとネチャーエフ党員
二十六 帰途
二十七 オリョークマ。――夜、去勢派教徒を訪ねる
二十八 キーレンスク
二十九 ヴェルホレンスク
三十 (イルクーツク)
三十一 (ロシヤへの帰還)
訳者プロフィール
[担当からのコメント]
急激に体が弱る中、コロレンコは最後の力を振り絞って自身の人生、そして同時代のロシアの姿を克明に綴りました。文字通り命がけでこの時代を生き、そしてその歴史を後世に伝えた彼の魂の文章を、ぜひじっくりとご堪能下さい。
[著者略歴]
斎藤 徹(さいとう とおる)
1934年東京生まれ。早稲田大学第一文学部露文科卒業。一橋大学社会学研究科修士課程終了。
その後、ロシア文学を離れ、私立女子高校の教諭として定年まで勤務。退職後、ロシア文学に戻り、コロレンコ著『わが同時代人の歴史』の邦訳に専念。
訳書に『わが同時代人の歴史 第1巻』『同 第2巻』(2006年、文芸社)がある。
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