手を挙げる少年:昭和後期・平成期の日常に正面から向き合って
(著) 佐々木正興
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[商品について]―時代の空気は、こうして閉じ込められる―
本書は、長く教育分野に携わってきた著者が、これまで様々な機会に執筆した投稿原稿と小文、日記等をまとめた作品集である。
「手を挙げる」という仕草や行為について雑感を述べた「手を挙げる少年」、在りし日の池袋をテーマとした「わが青春の池袋」など、投稿文、日記、小文を通じて、昭和から平成の時代の人と社会の相貌を感じることができる内容となっている。
[目次]
はじめに
Ⅰ 子ども そして
子ども同士
あらぬ疑い
子どもの挨拶
自分のことを棚に上げる
現代高校生事情
手を挙げる少年
凛々しい眉毛
猫の親子
シロアリに追われて
子どもの声、そして海
Ⅱ 愛媛県立三瓶高等学校
秋の日の一〇日間
去り行く卒業生へ
独自の主義を
『新泉』のころ
Ⅲ 大学・青春・東京
「当たり前のことから……」
勉強好きな友人に囲まれて
わが青春の池袋
私の「自分さがしの旅」
日記抄(一) 一九六三(昭和三八)年
日記抄(二) 一九六五(昭和四〇)年
石田英一郎さんの絵ハガキ
わが師・和歌森太郎先生のこと
浅草界隈病
東京の伯母二人
Ⅳ 親・子、教師・生徒
親と子と教師のはざまで
子どもを一年に入学させて
子どもの名前
自分の名前
母への手紙──「あなたは、なぜ急に……」
親が子に残すもの
子どもの一生分の恩返し
親が愛情たっぷりに「叱る」
日記抄(三) 一九七三(昭和四八)年
日記抄(四) 一九七八(昭和五三)年
日記抄(五) 一九七九(昭和五四)年
直樹君は何を歌ったか
しっかりせよ
贈る言葉
「秋の夜や音量しぼる運動会」
Ⅴ 本・読書・図書館
私の読んだ本──岡崎武志著『読書の腕前』
私の読んだ本──関川夏央著『家族の昭和』
私の読んだ本──真野俊和著『旅のなかの宗教─巡礼の民俗誌─』
私の読んだ本──文藝春秋編『教科書でおぼえた名詩』
私の読んだ本──鈴木常勝著『紙芝居は楽しいぞ!』
紙芝居「お姫さまのつか」制作裏話
曽我正堂のことなど
日記抄(六) 一九八六(昭和六一)年
藤沢周平を読む
ああ日本の自然よ、季節よ
私のおすすめ読書──井上靖を読む
柳田國男のこと 芝文庫のこと
自分の本と他人の本
同じ本をいくつも持つ
文は人なり、蔵書も人なり
子ども読書年──もう一つの二〇〇〇年問題
旬の読書
日記の私流読み方
あの日あの人は──日記を読む
ひねくれ荷風が書いた日記
読みたいように読む
読書の偶然
生活情報紙と私との距離
出版社の疫病神
文章を寝かせる
ルビは怖い
本に書き留めた日記代わりのメモ
辞典散策
幸せな時代と認めたい
車庫なし書庫あり
「牛棟庵文庫」のこと
一冊の本を作って得た「私の宝物」
Ⅵ 食べ物・からだ
秋の収穫
砂糖との絶ち切れない付き合い
地球にやさしい健康管理法
石と一戦を交えて
死亡記事
Ⅶ 映画・旅
映画監督・山田洋次
映画
山口洋子に嫌われてもいい私
四国遍路
オショニンとヨツダイコ
ドルで買った沖縄土産
「春のたより」から
三七年ぶりの沖縄
お神酒の威力に感じ入った旅
成田屋さん
日記抄(七) 一九九一(平成三)年
名乗らない親切な方へ
Ⅷ 暮らし
靴と気象予報
簡易包装のすすめ
免許のない私は
「老人ボケよ」
妻に見られたくない年賀状
「ひるのいこい」
わが家の農業後継者問題
五〇〇円玉一個の祝儀
初出一覧(掲載順)
[出版社からのコメント]
生前退位であったためか平成から令和になったときにはありませんでしたが、昭和から平成になったときは、昭和を象徴するスターが相ついで逝去するということがありました。時代というのは恣意的で不確かなものではありますが、私たちの人生にも様々な影響を与えている様にも思います。昭和から平成までの時代の流れが映し出す人や世相を、本書を通じて味わっていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
佐々木 正興(ささき・まさおき)
1944(昭和19)年 愛媛県に生まれる
1967( 〃 42)年 東京教育大学文学部史学科卒業
1967( 〃 〃)年~2005(平成17)年
愛媛県立高校教員(内子・宇和島東)及び校長(野村・今治西)
愛媛県教育委員会事務局職員(教育専門員・指導主事)
愛媛県立図書館長など
1971(昭和46)年 結婚により石崎から佐々木に改姓
2010(平成22)年~2015(平成27)松山短期大学教授(特任)
主な論文・著書
「和霊信仰史試論」(大塚民俗学会『民俗学評論』第4号 1970年)
「近世末期における伊勢参宮の旅の実態 ─宇和島藩御城下組三浦の田中九八郎らの場合─」
(伊予史談会『伊豫史談』第362号 2011年)
『愛媛県史 民俗 上』・『 同 民俗 下』・『 同 県政』愛媛県(1983・1984・1988年 共同執筆)
『わたしの忘れもの「日付のない日記」昭和中期・少年篇』(2012年 私家版)
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