患者も医者も、人間ですーー風変わり医師作家の心療内科裏ばなし
(著) 水野忠興
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―医学に、ふたたび人間を取り戻す―
病気になったとき、人は誰しも平静ではいられない。現実を冷静に見つめ病と向き合う人もいるが、多くの人はやはり病に心乱されてしまう。そうした患者に対して、病気だけを見て治療する今の医師のあり方は、果たして正しいのだろうかーー患者の病だけでなくその心にも目を向ける心療内科に自らの生きる道を見出し、細分化・専門化が進む西洋医学の中で全人的な医療を標榜する著者が、これまで出会った数々の患者たちや医師として歩んできた人生、そして現在の医療に対する想いを多彩なエピソードと共に綴った自伝的医療エッセイ。
[目次]
ようこそ心療内科へ
Ⅰ
海とM氏
胃癌告知
延命の意味
屋根の上の書斎
強靭なる葦
玄岳礼賛
呪われた遺伝子
重い荷
女弁護士が患者になると
青春の墓標
早過ぎる死
忘れられない患者
夜来る人
冷汗余話
Ⅱ
M氏の来歴
閉じたロッカー
こくせき
長すぎた春
教授たち
名医案内
赤いポルシェ
蝉しぐれ
人生の仕掛け
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
本書を読んでいると、病気になって病院に行ったとき自分と向き合っていた医師は、実は自分ではなく病気だけを見ていたのではないかという思いがふと頭をよぎります。患者としては一人の人間として話をしているのに、医師からすれば患者は病を運ぶ器に過ぎないのではないか。本書はそのアンチテーゼであるかのようにひたすら人間的で、医療のこれからのあり方を示しているように思います。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
水野忠興(みずの ただおき)
昭和17年東京生まれ。13才で朝日新聞少年となり朝刊200部2年間担当。10代で家出、映画のエキストラ、工事現場の作業員、塾の教師、家庭教師など経験。横浜国大で経済学を、横浜市大で医学を学ぶ。横浜市公衆衛生奨学金を得て医学部卒後精神科および消化器内科を専攻。昭和63年日本内科学会総会公募シンポジュームにてヒポクラテスレリーフメダルを受く。学会総会筆頭演者多数論文多数。平成4年ヒポクラテスシンポジューム参加(於ギリシャ・コス島)。終末期医療を経て平成14年横浜市に心療内科開設。江戸川乱歩賞候補2度。医学博士。
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