心象の山々 : 山の版画と断章
(著) 大谷一良
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―山は人を詩人にし、アートは人を旅人にする―
季節の名残りを運ぶように/風が 稜線から降りてくる/これも名残の 谷を埋めた雪の上を/舐めるように吹いて来る/周囲の幼い緑がさやいで 風と一緒に歌う/新しい季節を密やかに迎える歌だ/残雪が舞台をしつらえ背景を彩る(本書「残雪の歌」より)
版画家としてこれまで数々の山の情景を彫り出してきた著者の、1999年1月から2000年12月まで手がけた雑誌「岳人」の表紙版画作品とエッセイを収めた画文集。
[目次]
「岳人」表紙版画 一九九九年一月〜二〇〇〇年十二月
アポロンの目覚め
雪の山と森の歌
春の跫音
神々の春
残雪の歌
フローラの谿
山映る
岩稜
山と草原
宴の森
初冬の空間
黎明の山なみ
雪山遠望
雪の山・蒼い夜
可愛い山
山稜峨々
青い空間に白い雲
背のびする山たち
雲の遊ぶ日
花の舞う午後
一日の終り
森の中にて
初めての雪
星の戯れ
山と音楽と版画
花の舞う丘
森の中
夜の風景
光と風と
白い岩と青い空
モーツアルト
公園の出版記念会
山の眼玉──畦地梅太郎さんのこと
九山山房──深田久弥さんのこと
夜空の星のように──尾崎喜八さんのこと
あとがき
[担当からのコメント]
山に興味のある方であれば、おそらく一度は著者の版画作品を目にしたことがあるのではないかと思いますが、そんな著者の作品世界をより深く堪能することができる本書、そこにある心象風景は山を愛するものたちの心で満ちています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
大谷 一良(おおたに・かずよし)(1933年〜2014年)東京生まれ。
1957年東京外国語大学スペイン語科卒業。総合商社の勤めを終え、96年よりフリーの版画家。この間、畦地梅太郎氏に私淑、「アルプ」をはじめ「まいんべるく」「山と渓谷」「心」「岳人」などに表紙画やカット、文章を発表。80年代から個展や共同展を毎年のように開催。
著書に『山のかけら』『山の絵葉書』『風のディヴェルティメント』など、共著に『山のABC』『忘れ得ぬ山』など多数。山岳関連書の装丁・装画も数多く手がけた。
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