平戸オランダ商館へようこそーー江戸初期の自由貿易の拠点を復元する:日蘭交流の近世史

(著) 萩原博文

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作品詳細

[商品について]
―鎖国政策へと至る前の平戸の「自由貿易」最後の夢―
2011年9月20日、「平戸オランダ商館」は多くの人々の尽力を経てついに開館した。江戸時代初期に突如出現した大航海時代を象徴する石造建物は、見事に復元されて港町・平戸の実像の一端を明らかにした。三代将軍家光が眉をひそめるほどのこの壮麗なオランダ倉庫は、いかなる歴史を歩み、そしていかにして復元されたのか。平戸オランダ商館の調査研究に携わってきた著者が、歴史の中から姿を現した国際港・平戸の姿を、知られることの少ない平戸とオランダの交流と商館の発掘から復元までの歩みと共に綴った記録。

[目次]
発刊にあたって
Ⅰ オランダ東インド会社
ミッデルブルグで
東インド会社の設立
東インド会社の設立四〇〇周年
ゾイデル海国立博物館
三浦按針の日本漂着
平戸オランダ商館の設立
Ⅱ 三浦按針の活躍
イギリス商館の設置
朱印船貿易
按針と江戸幕府
英蘭軍事協定
按針の死
ジリンガムで
Ⅲ 松浦隆信(まつらたかのぶ)
平戸藩主・隆信
タイオワン事件
ヌイツの釈放へ向けて
隆信の手紙
平戸の糸割符(いとわっぷ)制
隆信の死
Ⅳ 商館長クーケバッケルとマニラ・マカオ侵攻計画
商館長就任
マカオ侵攻について
要望書の提出
隆信の手紙(二)
ザーネンの参府
マニラ遠征計画
島原の乱
Ⅴ 鎖国と商館破壊
混血児の追放と商館長カロン
じゃがたら文
ポルトガル人の入国禁止
洋風建物の建造
平戸商館破壊命令
破壊の理由
Ⅵ 商館跡の発掘調査
アムステルダム市考古局で
商館の発掘
商館の拡張
建物遺構と出土遺物
一六三九年倉庫の発掘
石壁の築造技術
Ⅶ オランダ商館の復元
復元へ向けて
真実性を求めて
検討会の開催とアユタヤ商館
活用の試み
資料の収集
横島の発掘
これからが本当の始まり
〈参考史料〉
〈主要参考文献〉
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
近年は世界史の中で日本史を捉えようとする動きも盛んになってきています。本書は歴史的建造物の調査・復元の過程と共に、そうした視点からもお楽しみいただける内容となっています。本書を通じて日蘭交流の歴史を知り、そして平戸オランダ商館を訪れていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
萩原博文(はぎわら ひろふみ)

一九四九年、松浦市生まれ。平戸市教育委員会和蘭商館復元推進室長として平戸オランダ商館の発掘調査・研究に従事。元平戸市教育委員会学術専門幹。
著書には「縄文草創期の細石刃石器群」(『日本考古学』12号)、「土器出現期における生活面の区分と出土遺物の特徴」(泉福寺洞穴研究編)、「長崎出島と平戸のオランダ商館」(『考古学による日本の歴史』10)ほか。

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