市民と芸術:アート篇
(著) 日下四郎
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[商品について]
芸術における身体は何を表現するのか――。
本書は、現代舞踊(コンテンポラリー・ダンス)という身体アートの世界に身を置いた著者が、手掛けた舞台の台本や演出ノート、エッセイ、座談会を通じて、現代舞踊の魅力を、ひいては芸術における身体の魅力を表現しようと試みる「現代アートの文字版」である。
時代の影響を強く受ける現代舞踊の在りし日と今を知る上で、また身体芸術の評論として、読み応えのある内容となっている。
感度の高い芸術諸氏にお勧めしたい一冊。
[目次]
まえがき
第1ラウンド 制作メモ
① 評論
上演まえの短いDISCOURS
かくされた部分七景
《旅》よ よみがえれ!
傍白
ほか
② 省察
≪演出ノート≫から 「ジ・アビス〈深淵〉」
レフレクション「信田の森の物語り」
ほされた日常の風景
影のうら側
ほか
第2ラウンド 人と芸術
江口博氏を悼む
どこにもあって、どこにもない『エレホン郷』
石井漠に見る三つの舞踏態
マーサー・グラハムの偉大とモダン・ダンスの古典
ほか
第3ラウンド ドキュメンタリー
あるスタッフから見たこの十五年と昨今
ドイツの夏 現場からの報告
追跡「ヴィトリオ・ローシー」
新たな舞踊年鑑の刊行に寄せて
第4ラウンド エッセイ集
短歌と舞踊
パン屋さん探し
腰痛と注射
バイリンガル
ほか
第5ラウンド 座談会
《詩と現代舞踊》をテーマに
《ザ・ユニーク D・ナグリン》を語る
《歴史を学ぶ、歴史を語る》
《コンテンポラリーダンスの二〇年間》対談
第6ラウンド 創作戯曲
歴史劇『近衞公の死』四幕十二場
あとがき
著者略歴
[出版社からのコメント]
芸術が私たちに非日常の世界をもたらすものであるとして、舞台芸術の中にある身体の日常性はどの様に捉えられるのでしょうか。
「文化」としての芸術が、歴史や社会の影響を受けながら発信してきた表現は、私たちの日常をどの様に変えていったでしょうか。
本書は現代舞踊に視点を当てた作品ですが、その評論やエッセイ、戯曲は、芸術や文化を貫く射程を持ち、読者に思索という運動を促す懐の深さを持っています。
著者の人生の半身でもある身体芸術の魅力を、じっくりと味わっていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
日下 四郎(くさか・しろう)
1930年 京都市に生まれる 戸籍名:鵜飼宏明
1948年 旧制第三高等学校文科丙(フランス語科)を修了
1953年 新制東京大学第1期生として文学部ドイツ文学科を卒業
経歴:放送 JOKR(ラジオ)からTBSテレビで番組制作 ~1979年
舞台 DANCE THEATER CUBICで創作活動 台本&演出 ~1991年
教職 淑徳短期大学/日本女子体育大学の非常勤講師 ~1997年
評論 現代舞踊を中心とする創作作品の批評と審査 ~2013年
以上ダンス関係の仕事にはペンネーム日下四郎(くさかしろう)を用いた。
【主な著作と作品】
●鵜飼宏明名の著作
『太陽と砂との対話:西アジアのシルクロード』(1983 里文出版)
『東京大学・学生演劇七十五年史:岡田嘉子から野田秀樹まで』(1997 清水書院)
『さすが舞踊、されど舞踊』(2005 文芸社)
『ナナとジャン : 昭和20年代が生んだ青春の譜 上下巻』(2016 青嵐舎)
●日下四郎名の著作
『モダンダンス出航』(1976 木耳社)
『竹久夢二の淡き女たち』(1994 近代文芸社)
『現代舞踊がみえてくる』(1997 沖積舎)
シリーズ『ダンスの窓から』(2003−2012全3冊 安楽城出版)
翻訳本『ルドルフ・ラバン』(2007 大修館書店) その他
●ビデオ制作(全6巻 各1時間 台本・演出および解説パンフレット)
『第1巻 開拓期の人々』~『第6巻 戦後世代の展開』(1988-2005CDAJ)
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