小説 天平に落ちる涙──恋しい仲麻呂を待ち続けて
(著) 中津攸子
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―離れて人は本当の恋を知るのだろうか―
はるかな海の向こうにある唐の都。そんな唐を目指して船出したまま帰らない船が幾艘もあったというこの時代、元正女帝から遣唐留学生として正式に任命された阿倍仲麻呂は、恋し合う女性、真保郎女に「月を見て真保さまを偲び、逢える日を数えているよ」と言い残し、彼女の涙をそっとぬぐうと、大きな志を胸に船へ乗り込むのだった。ーー藤原氏の明暗や長屋王の無念、そして三十五年ものあいだ、唐へ渡った仲麻呂の帰りを待ち続けた女と彼の悲恋を描いた、切なき愛の物語。
[目次]
一 仲麻呂の船出
二 玉座を狙う者
三 皇位継承の条件
四 藤原氏の明暗
五 長屋王の自決
六 天平の遣唐船
七 疫病流行
八 大仏開眼
九 仲麻呂帰国の途へ
十 月光
追記
著者略歴
[担当からのコメント]
本書を読むと、これまでの長い歴史の中で、たとえ文化や社会に大きな違いがあろうと、人が人を恋する気持ちには変わりはないのだという思いが、強く心に迫ってきます。歴史や万葉集の内容を織り交ぜながら、日本への帰国を果たせずに唐で客死した阿倍仲麻呂を巡る切ない恋の物語を、ぜひじっくりとご堪能ください。
[著者略歴]
中津攸子(なかつ ゆうこ)
東京都台東区浅草に生まれる。
東京学芸大学卒。
日本ペンクラブ会員。俳人協会会員
著書『万葉の悲歌』(新人物往来社)『かぐや姫と古代史の謎』(新人物往来社)『市川の歴史』(市川よみうり新聞社)『万葉集で読む古代争乱』(新人物往来社)『葛飾を歩く』(NTT出版)『小説松尾芭蕉』(新人物往来社)他
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