小説 北上川の流れ──和泉式部の真実
(著) 中津攸子
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―「誰かは行かなくてはならないの。大和の国との約束ですから」―
春の雪が舞う東北の地にて、日高見の国の安倍王は都からの副使である藤原保昌の一行を迎える。一方、安倍王の姪であり、才色兼備の少女「おもと」はこの一行の来訪を受けて、ある大きな決断を迫られるのであった。ーー平安時代最高の女流歌人と評される和泉式部。その出自や生涯には未だ多くの謎が残されている。本書は、そんな謎多き和泉式部の出自を、特にその説が濃厚とされている東北の「日高見の国」とする設定に基づいた、謎あり、勇者あり、恋あり、別れありの歴史小説である。その華やかな生活の一方で、どの歌にも底知れぬ寂寥感が漂っているのは何故か。『和泉式部日記』は何のために、誰に読んでもらうために書かれたのか。史実を織り交ぜながら紡がれたドラマを通して、和泉式部の謎に迫る。
[目次]
異色の歴史譚
はじめに
北上川の風
大和からの使者
男の目
樺山の夕映え
保昌の訃報
別れ
日本海の船旅
謎の白覆面
狙われる姫と黄金
公達の出迎え
都の月
父でない父、母でない母
軒端の梅
道長の命名
小式部内侍誕生
黒髪の乱れ
満ち足りた日々
生別
帥の宮慕情
親王哀歌
風の音
妖しき女心
陸奥へ発つ道貞
帥の宮の后として
残照
暗雲
わが世とぞ思う
めぐり逢い
解説
参考資料
(その他抜粋資料)
著者略歴
[担当からのコメント]
百人一首の歌人であり、情熱的な恋愛を多く歌ったイメージも強い和泉式部ですが、その一方で彼女の生涯には多くの謎が残されています。そんな魅力と謎多き和泉式部の知られざる人生を、東北の歴史と絡めながら物語として描き抜いた本書、ぜひじっくりとお楽しみください。
[著者略歴]
中津攸子(なかつ ゆうこ)
日本ペンクラブ会員、日本文芸家協会会員、俳人協会会員、大衆文学研究会会員、よみうり文化センター・NHK文化センター古典講師
〈著書〉
「万葉集で読む古代争乱」「天平の望郷歌」「真間の平児奈」「万葉の悲歌」「戦国武田の女たち」「かぐや姫と古代史の謎」「小説松尾芭蕉」(以上、新人物往来社)「葛飾を歩く」(NTT出版)「観音のあるまち、行徳・浦安」(中山書房)「風の道」(角川書店)他多数
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