寒月の桜
(著) 松尾政彦
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【2021年に発刊された『恋桜、ふたり──ある櫻守りと一人の娘の哀しくも美しい物語』の改訂版です】
ー人の幸せとは何だ。男とは、女とは。ー
白い大きな月が輝くある冬の夜、男姿に身を包んだお蓮は女人禁制の山に足を踏み入れた。それは「桜が命の吉野人」、愛する荘吉の死を弔うためだった。ーー堺の名のある商人の家に生まれ、大切に育てられた少女・お蓮と、山で育ち桜守をしている少年・荘吉。ふたりの恋には越えられない身分の差という大きな壁が立ちはだかっていた。お蓮の幸せを願い、ひとり修験の道に入ったきりそのまま姿を消してしまった荘吉が、愛するお蓮のために残したものとは。儚くも美しい桜色の時代小説。
[目次]
雪の宿にて……
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
お蓮の桜
あとがき
著者プロフィール
[担当からのコメント]
本作は江戸時代を舞台にし、現代ではほとんど見られなくなった身分の格差による悲恋を描いた物語ですが、誰かを想う美しさや、叶わない恋がもたらす苦しみは、現代の私たちの心にも深い感動と感傷を残します。文字通り命を懸けて愛し合った男女の物語をぜひご堪能ください。
[著者プロフィール]
松尾 政彦(まつお・まさひこ)
昭和27年、三重県一志郡美杉村(現、津市)生まれ。奈良県香芝市在住。
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