富永冬樹伝 : 教養の明治裁判官

(著) 柴興志

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[商品について]
―悪口すれども雑言せず、面罵すれども陰口なし。知られざる明治の偉人の強烈な個性―
代官所手代、御徒士目付、幕府軍騎兵指図役、翻訳業、裁判官、東京株式取引所理事といくつもの貌を持ち、明治の大岡越前守として戦前の学校教科書にも載せられていた富永冬樹。豊かな才能と高い教養を持ち、任官して僅か数年で帝都に名を轟かし、稀代の譏刺家でもあったこの名裁判官は、果たしていかなる個性で、いかなる人生を、そしていかなる時代を生きたのか――残された史料を渉猟して描き出した、知られざる偉人・富永冬樹伝。

[目次]
はしがき
富永冬樹
何を学ぶか
先輩の襷
三部作
谷中甲一一の一一
富永冬樹伝(とみながふゆきでん)
一 富永冬樹の父祖
一―一 農商から侍になった父惣五郎の志
一―二 中根半嶺塾での勉強
二 幕府の若き働き手
二―一 森代官所の手代
二―二 坂下門外の変で検視
二―三 騎兵隊
二―四 語学習得
二―五 弟二郎が訪仏団に加わる
二―六 田辺太一に従う
三 富永兄弟連合の結束パワー
三―一 親を恃まぬヤングパワー
三―二 兄弟・義兄弟の結びつき―富永益田連合
四 維新、富永一造から冬樹へ改名
四―一 横浜と長崎を往復して翻訳業
四―二 米国留学中に仕官
四―三 尾去澤鉱山事件後に井上馨と距離
四―四 兄弟たちの維新直後
五 大審院判事
五―一 裁判官として栄進
五―二 「ウォルシュ岡田事件」
五―三 判事にして一面経済人
五―四 明治の大岡越前守
六 退官そして晩年
六―一 司法省を退官
六―二 株式取引所
六―三 風流・社交
六―四 安易帰るが如き最期
六―五 富永「兄弟」それぞれの晩年
七 家族と子孫
七―一 富永冬樹の妻
七―二 富永冬樹の子
七―三 富永冬樹の孫
結び
書翰(しょかん)認(したた)め方(かた)の心得(こころえ)   富永冬樹著・柴興志注解
註釈者の言葉
○  書翰認め方の心得 第一巻 第十号及び十一号
石黒男の書翰
石黒男の書翰
感想文
結び
富永家系図その他
富永家代々住所一覧
富永冬樹年譜
富永家系図
参考文献
富永冬樹関係者
富永敏麿関係者
富永惣一関係者
富永冬樹研究古今執筆者

矢野二郎研究古今執筆者
中山譲治研究古今執筆者
富永惣一研究古今執筆者
富永冬樹に関する報告
一、研究心得の要諦はノウブレス・オウブリーズ
二、明治の大岡越前」とは
三、江古田が富永冬樹の先祖の地
四、建築家からの質問
五、富永冬樹の渡米時期は依然研究対象
「富永冬樹伝」刊行に寄せて
著者略歴

[担当からのコメント]
時代の変わり目が才能を生むのだとすれば、本書の富永冬樹という人物はまさにそうした才能の一人だったのではないかと本書を読みながら思います。日本が世界に打って出ようとしていた明治という時代を理性と気骨で生きた一人の異才の生涯、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
柴 興志(しば・こうし)

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