宝塚の快楽:名作への誘い【電子書籍版】

(著) 天野道映

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作品詳細

[商品について]
―宝塚という象徴の大樹で、彼女たちは演劇者として稀有の輝きを放つ―
日本の演劇界において特異な地位を占め、多くのスターを誕生させてきた宝塚歌劇団。演劇評論家として長く宝塚をみてきた著者は、その特徴ともいうべき男役の演者の表現や他の演劇とは大きな違いがある男役中心主義に着目し、演劇の本質であるドラマという視点から作品ベースで見ることで、さまざまな象徴に彩られた優れた作品の宝庫としての宝塚歌劇の姿を明らかにしていく。ヨーロッパ中世の宮廷風騎士道物語や幼児期への回帰幻想といった宝塚作品が独自に持つ傾向を手掛かりに、『風と共に去りぬ』『エリザベート』『哀しみのコルドバ』など、快楽を誘う幾つかの名作を分析しながら新たな視点で宝塚の魅力を読み解いた、示唆に富む演劇評論集。

[目次]
はじめに
I サフランと禁断の火刑台『哀しみのコルドバ』
Ⅱ 遠い島影と驚異の泉『チャンピオン!――甦る伝説』
Ⅲ スカーレットⅡの秘密『風と共に去りぬ』(バトラー編)
Ⅳ メラニーの死の意味『風と共に去りぬ』(スカーレット編)
V 女の夢から男の夢へ『エリザベート』第一幕
Ⅵ 失われた幼児期への鎮魂曲『エリザベート』第二幕
Ⅶ 女の身体という逆説 涼風真世のオスカル
Ⅷ 男役の美学とトリック 麻実れいのミハイル・カレートニコフ
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
宝塚のスターたちの放つ輝きは多くの観客の心を魅了しますが、それは宝塚歌劇の作品の上に立っているからこその輝きでもあるのでしょう。宝塚とは何か、彼女たちは何ものなのか、そして演劇とは何かについても考えさせられる本書、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
天野道映(あまの みちえ)
一九三六年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。朝日新聞記者を経て、現在演劇評論家。朝日新聞紙上で宝塚と文楽の劇評を担当している。著書に『舞台はイメージのすみか』『宝塚のルール』(ともに朝日新聞社刊)がある。

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