安息日は二度と来ない:ダッカ1984・航空機事故とある商社マンの葬送歌(レクイエム)
(著) 片山直明
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―その事故は、ひとりの企業人の人生観を大きく変えた―
ロスアンゼルスオリンピックが開幕した1984年の夏、片岡章二は住吉商事ダッカ駐在員の電力庁担当として、バングラデシュで多忙な日々を過ごしていた。送電線入札とジェトロ・ミッションに忙殺された2週間がひと段落ついたある日曜日の午後、片岡のもとに突然の事故の報が飛び込んで来る。それはビーマン(国営バングラデシュ航空)がダッカの空港近くで墜落し、住吉商事の出張者二人が巻き込まれたらしいというものだった。何事においても信頼に足る情報が少ないバングラデシュで事実確認に奔走する片岡は、通信省の情報によって事故が確定的となる中で、バングラデシュ着任時に引き継ぎ事項として前任者から言われた一言を思い出していた。〝午後便〟には絶対に乗ってはいけない、死にたくなければ。なぜ彼らは〝午後便〟に乗ってしまったのか、しかもわざわざ予約してあった夕刻の便を変更してまで――。実際にあった事件をもとに、複雑に絡み合った運命の糸に翻弄される人々と、その中に見え隠れする組織の論理や不条理・不合理の世界を、鎮魂を込めて描いたノンフィクション・ノベル。
[目次]
プロローグ
1.ネバー・オン・サンデー
2.ハンガー4
3.地獄の沙汰も金次第
4.火葬の村
5.深夜のスピークアップ
6.懲罰人事
7.肥溜め商社
8.社長のお忍び
9.男子単優勝・松岡修造十七歳
10.結論はUFO
11.自衛隊の手つなぎ鬼
12.ワシントンDCの桜
13.二度目の懲罰人事
エピローグ
あとがき
著者プロフィール
[出版社からのコメント]
サラリーマンとして長い人生を送る中で、一度ならず組織の論理に苦い思いをさせられたことがある人も多いかも知れません。組織の中で人として、企業人として偽りなく生きることの難しさをはじめ、ビジネス人生の中にある物語を味読していただければ嬉しく思います。
【著者プロフィール】
片山 直明(かたやま なおあき)
1953年7月28日生まれ。
東京都出身。
早稲田大学商学部卒業。専攻はマーケティング。
1976年4月、新卒で大手総合商社に入社。
2018年7月に退職するまで、内外で、一貫して電力部門を担当した。
神奈川県川崎市在住。
本作がデビュー作である。
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