宇宙飛行士のお医者さんになって――最初の日本人フライトサージャン(宇宙飛行士専門医)がみた宇宙開発の日々
(著) 弓倉整
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――NASAで用いられている、無重力空間で下半身に血液を移動させるための機械はつぎのうちどれでしょうか。
1.LBNP 2.バーティゴ 3.トレッドミル
正解は本書「第5章 航空宇宙医学の話 宇宙環境で体はどうなるか」をご覧ください。
宇宙開発では宇宙飛行士にばかりスポットが当たるが、彼(彼女)らは多くの人の知識と努力に支えられて宇宙に飛び立っている。本書は、そんな宇宙飛行士を支える重要な役割を担うポジションの一つ「フライトサージャン(宙飛行士専門医)」として活躍した著者の、5年にわたる宇宙開発の日々の記録である。毛利衛が初めて宇宙へ行った時にフライトサージャンとして参加した経緯や、宇宙空間という特殊な環境に身を置く宇宙飛行士の健康管理を行うフライトサージャンという存在、宇宙医学のことなど、宇宙開発を異なる視点で見ることができる貴重な1冊。
[目次]
はじめに
第一章 シャトル打ち上げ
「ふわっと92」打ち上げ
第二章 生い立ち
路傍の白い花
大学時代
日大板橋病院時代
第三章 NASDAへ
きっかけ
慣熟訓練
チャレンジャーの事故
宇宙開発事業団が正規職員を公募
宇宙開発事業団に入団
第四章 ライト州立大学留学
渡米
ライト州立大学で学ぶ
バーティゴ(眩暈)
第五章 航空宇宙医学の話
航空医学の歴史
宇宙医学の話
宇宙環境で体はどうなるか
デイトンという町
第六章 KC‐135と模擬無重力
留学二年目を迎えて
無重力模擬法
KC‐135
無重力に挑戦
生兵法(なまびょうほう)は大怪我のもと
第七章 日本人宇宙飛行士の募集選抜
帰国
日本での仕事
第八章 オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)
OJTとは
宇宙飛行士健康管理計画
健康安定化プログラム
時差調整
救急医療支援システム(EMSS)
第九章 STS‐50ミッション
STS‐50の打ち上げに向けて
ジレンマ
日本人フライトサージャンにとって初のミッション
ミッション・コントロール・センター(MCC)
DFRCとパームデイルの町
砂漠の中の小さな中華料理店
第十章 毛利さんの打ち上げ前夜
CMO訓練
JISとSTS‐46ミッション
打ち上げ間近
打ち上げ二日前
打ち上げ前夜
第十一章 帰還
ついに打ち上げ
管制室
帰還
別れ
第十二章 さらばスペースシャトル
再び臨床医として
天命を知る
エピローグ
著者略歴
[担当からのコメント]
民間人でも宇宙へと行ける時代となった今、これまで夢物語であった宇宙旅行が実現する日もそう遠くはないかも知れません。本書で綴られている様に、多くの方の目に見えない努力のうえにある宇宙への未来を想像しながら、ぜひ本書を多くの方に楽しんでいただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
弓倉 整(ゆみくら せい)
1954年 生まれる。
1979年 日本大学医学部卒業後、日本大学附属板橋病院にて勤務。
1983年 日本大学大学院卒業、医学博士。
1988年 米国オハイオ州ライト州立大学留学。
同年、宇宙開発事業団副主任開発部員、
宇宙飛行士健康管理医として日本有人宇宙計画に携わる。
1996年 弓倉医院(内科・循環器・小児科)院長就任。
1999年より2009年 板橋区医師会理事・監事就任。
2006年5月より2011年 東京都医師会理事就任。
2015年6月より (公財)日本学校保健会専務理事、現在に至る。
〈主な学位・資格、医師会活動〉
日本宇宙航空環境医学会評議員、日本内科学会認定内科認定医、
日本循環器学会認定循環器専門医、日本宇宙航空環境医学認定医。
日本医師会 学術企画委員会委員など
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