季節の移ろいと生き物たち(下)──子どもたちに伝えたい自然と文化
(著) 大森拓郎
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―「動」と「静」の季節―
環境の変化やそれに伴う自然災害、または外来種の流入などによって、生物の多様性に変化が起こっている。その一方で、子ども達の遊びの場はリアルな自然環境から、デジタル空間へと移行し、生物多様性への関心はますます遠のくばかりである。しかし、たとえ自然に目を向けなくとも私たちは季節の移ろいなど、自然の変化に適応して生きている。本作は都心のある地域を取り上げ、上下巻を通して9つの季節の移ろいと、それに適応している人々と生物達の共に生きる姿を描き出し、読者の心に宿る生物多様性への関心を呼び起こす。ーー下巻にあたる本書では、7月後半から12月までを4つの季節に分け、セミやヒマワリといった夏の風物詩をはじめ、やがて訪れる寒い冬に備える様々な生き物たちの姿に迫っていく。本書は、電子書籍「季節の移ろいと生き物たち――子どもたちに伝えたい自然と文化【電子書籍版】」の改訂版です。
[目次]下巻
第6章 盛夏(7月後半~8月前半)
お盆
真夏の自然の移ろい
セミの仲間
温暖化で増えた昆虫
長距離移動する昆虫
トンボの仲間
か弱い昆虫
バッタの仲間とカマキリ
動物の呼吸法
8月の長い1日
夜に咲く花
ヒマワリ
夏の花木
可哀想な植物の名前
夏草
夏の気象
第7章 晩夏・初秋(8月後半~9月)
夏から秋へ
忍び寄る自然の喪失
小さな秋
クモ
ジョロウグモ
秋に鳴く虫
スズメバチ
アキアカネの産卵
初秋に咲く花と実
第8章 仲秋(10月)
秋の気象
寒さに向けての準備
秋に咲く花
タデ科の仲間
秋に花咲く帰化植物
実りの秋
ドングリ
果実と種子
子孫を残すための戦略
哺乳類
草木染め
香りの観察
菌類ときのこ
第9章 晩秋・初冬(11月~12月)
晩秋の気象
紅葉
寒さを感じて咲く花
種子散布
秋の芽生え
武蔵野の植生
生きている化石
晩秋の野鳥観察
冬ごもりの準備
初冬の気象と落葉
初冬の楽しみ方
冬至
年の瀬
(参考)
1.自然についての基礎知識
2.地球生命の歴史
あとがき
参考図書
著者紹介
[出版社からのコメント]
本書は生物多様性がテーマの1つである本ですが、その内容は単に生物の解説に留まるのではなく、生物の営みと私たちの生活がどれだけ共鳴し合っているかを詳らかにする、いわば自然と文化を1つの文脈の中で語り直す意欲的なものとなっています。特に7月から12月までを取り上げた下巻では、自然の中に生きる生物たちにとっての季節の大きな移ろいをダイナミックに感じられるとともに、お盆や大晦日など、それぞれの季節には私たち人間にとっても様々な習慣や文化が根付いているということを改めて実感できます。生物多様性への関心を取り戻し、その上でどう行動すべきなのか考えさせる一冊です。
[著者紹介]
大森拓郎(おおもり たくお)
1940年三重県四日市市生まれ。日本銀行退職後、東京短期金融市場に在籍。2001年にフリーになって以降、地元での東大農場存続運動等自然保護活動に参加。並行して、主に園児・小学生児童を対象にした自然観察指導を行い現在に至る。地元児童館での月1回開く「自然観察みどりの教室」は、2020年1月に190回を迎えた(以降、新型コロナウイルス感染拡大から休止していたが、2023年6月から再開)。この間、西東京市環境審議会委員、東大生態調和農学機構社会連携協議会委員等歴任。現在、日本自然保護協会自然観察指導員。趣味は油絵、登山。
(著書<冊子>「都市における生物多様性~私たち、一人ひとりがどう取り組むか~」「フライブルク見聞記」)
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